第243話 手合わせはお断りです
「『カマラル・ンガ』を防ぐ人間がいる、その事実に納得がいかなかった。ナウロに仕えて30年、初めての経験でしたから」
「それで俺の実力を試そうと?」
「ええ。なので1度手合わせして貰えれば、と思っておりました。ただ今日の戦いを見て挑まなくてよかったと安心してしまいました……アナタは規格外すぎる」
「ハハハ、よく言われます」
対人戦とか勘弁願いたいです。
加減が分からないってのもあるけど俺の戦い方的にでっかい対象の方が全力出せるんだよねー。
いや、対人戦で全力なんて出したら相手ミンチになっちゃうか……
「とりあえず戦うことはなし、ということで大丈夫です?」
「もちろんです。あ、今からタジマ様がご希望されるなら何時でも戦えますが?如何しますか?」
「いえいえいえ、結構です!戦闘なんてモンスター相手で十分です!」
「ハハハ、勝つのはタジマ様では?私は手も足も出ない未来しか見えませんゆえ」
そんなことは無いでしょ?
対人戦は全くの素人ゆえ、経験者に勝てるビジョンが見えないよ……
とりあえず今日は疲れた……
飯も食べれてないし、エンペラーリッチについてもギルドに報告しないと。
熊本城ダンジョンの受付でことの次第を報告すると後はこっちでやっときます、とのこと。
今回は配信を見ていて同時に動いていたそう。
何なら上級探索者に声かけをしてたぐらいだそう。
なんかすんません……
とりあえずジョーさんの顎などなど換金できそうなものは全部渡して来た。
エンペラーリッチから取った宝玉?については後日有識者が来てから鑑定するらしいので一旦俺が預かることになった。
深層のエンペラーリッチの頭についてたやつだしね。
もし即死魔法発動なんてしたら目も当てられない。
アイテムバッグの奥にしっかりしまいますよ!
……後で福崎さんから怒られそうだけどヨシ!
……足の痺れにポーション効くかなー。
換金所にはドムリさんも並んでた。
一応ボス部屋で倒したモンスターのアイテムとかあったらしい。
いい稼ぎになったそうだ。
ちゃっかりしてるねー。
「ドムリさん、この後の予定とかあります?」
「いえ、今日はお休みをいただいておりますので特に予定はありませんよ」
「お、じゃラーメンでも食べに行きますか?オススメのラーメン屋があるんですよー」
「らーめん?そういえばクマモトで有名だと聞いていましたね。ご一緒してもよろしいですか?」
「オッケーですよ。味は保証しますから」
というわけでラーメン屋に二人で行くことに。
しっかり動いたから大盛りにしようかなー。
チャーシュー盛りでもありだなー
「って、今日お休みなのに執事服来てるんですか?!何故?!」
「仕事着の方が動きやすくて落ち着くんですよね。あと私服だとニホンは少し肌寒いので」
「仕事着で落ち着くとは……流石執事」
この執事、最強すぎる




