第241話 サクサク倒そうサクサク帰ろう
「……本当にサクサク倒されるんですね」
「え?そうですか?」
俺はデビルバットスコーピオンを殴り潰しながらドムリさんに返事をする。
デビルバットスコーピオンはコウモリの羽根が生えてる黒いサソリ。
一応空を飛べるけど滞空時間は10秒程度だし、ジャンプに毛が生えたぐらいだから普通のサソリとあんまり変わらない。
……まあ大きさ3メートルは超えてるんですけどね。
このサソリ、毒袋を取り除くと綺麗な白い身が出てくるんだよねー。
味はカニカマだから大容量カニカマサラダが作れるよ。
ヘルシーだし、お腹もいっぱいになるから結構好きな部類。
「倒すだけならしっぽの根元に集中的に攻撃を当ててやると簡単に気絶して倒しやすいです。多分ドムリさんでも出来ると思いますよ。俺の場合加食箇所を残しながらなので時間がかかるので」
「いや、それが出来たら苦労しませんよ。普通の探索者はサソリのスピードに追いつけません」
「いやいや、サソリは目が不自由だから壁際に追いやってチョイっとひねるだけですって」
「……なんというか……やはり規格外の方ですね……本当に」
なんか呆れられた気がするー。
まぁいつもの事なので気にしない気にしない。
とりあえず帰還ポータルを探しながら探索していろいろなモンスターを狩猟した。
めぼしい物だとヘヘモスとビッグハンマークラブ。
ヘヘモスは巨大な豚。
繁茂期に増えたキノコ類を食べて成長する背中に苔やキノコが生えている豚。
それ以上の説明がないくらいに豚。
いや、肉質はオークの比じゃないぐらいに甘くて絶品なんだよ。
しかも骨から作ったトンコツスープはガチでうまい。
熊本で有名なラーメン屋のトンコツを自宅でも出来るぐらいには濃厚な味が出るよ。
ビッグハンマークラブは地上で歩き回るカニ。
片腕が岩で覆われているから振り下ろすと何でもぺっちゃんこにする。
何なら今日討伐したやつはキマイラを潰して捕食中だったよ……
キマイラ、下層で苦戦必死の危険なモンスターだったよなー……
深層だとカニに負けるんだよなー。
弱肉強食の世界、怖い。
そんなカニですが、肉は茹でると花のようにふわふわに広がってひとくち食べると甘みが口いっぱいに広がる。
カニの旨みがミルクのように染み渡るそうだ。
……まぁ俺、カニ食べれないので分からないんだけどね。
この辺食べる配信とか今度やってもいいなー。
何なら鍋とかにしてもいいな、夏だけど。




