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第237話 vsエンペラーリッチ その4

エンペラーリッチの魔法を避けながら草千里で切りつける。

草千里、肉は焼けるけど骨は無理だからなー。

ダメージ与えてるように見えないよ。


「どーしたもんかねー……ん?あれ?左眼おかしくね?」


何度目かの斬撃の後、エンペラーリッチの顔を見てふと気づいた。

こいつ、目が炎になってると思ってたけど左眼だけ奥に何かあるぞ……


「ははーん、やっと攻略法が見えた。いやー長かった」


配信を見ると戦い始めて1時間は経ってそうだ。

さすがにあきられてそうだし、ササッとやっちまいましょう。


俺は足に力を込めて一気に飛び出す。

ダークランスが正面に飛んでくるけど最低限の動きで回避してエンペラーリッチの左眼に拳を突き立てる。

メキッと音がして頭蓋骨に刺さる。

予想通り、左目の奥に石のようなものがあった。

それを掴んで引き抜くとエンペラーリッチの身体から黒い霧が一気に吹き出した。


「ゴホッ、ゴホッ……猛毒の霧に呪い付きかよ!ダークランス連射ならやばかったけど、その辺なら耐性あるからセーフ」


トミーの小屋からこっそり持ってきたアイテムが役に立ったよ。

……売ったら数億円だったんだろうなー

霧が晴れるとそこには黒い砂が拡がっていた。

エンペラーリッチが崩壊して砂になったようだ。


「……よーし、終わったかな?イエーイ」


:うおー!!!!〈5000円〉

:おっさん勝ちよった!!!〈20000円〉

:ガチかよ!!!〈1000円〉

:歴史が動いた!!!〈10000円〉

:おっさん最強!おっさん最強!〈5000円〉

:おつかれ!!!

:おつおつ!

:おつかれやーん

:勝ったな!お疲れ!

:おつかれ!

:お疲れ様でした!!

:うぉぉぉぉ!!


「コメントありがとうー。いやー、疲れましたわー。もう少しよく見て戦わないといかんですなー……で、この石?は何なのかね?」


エンペラーリッチの左目にあった石、真っ赤に輝く石はルビーとも違う感じだ。

色も黒ずんでいてパッと見の印象は血に近い。

石と言うよりは宝玉に近いかな?

この辺有識者が入ればいいんだけど、コメントに聞いても分からんとのこと。

仕方ない、持ち帰ってギルドに預けますか。

他にも砂になった素材を集めてペットボトルに詰めた。

ローブも残ってたけどボロボロだし、お金にはならないかな?

ジョーさんの骨は杖からそのままの形に戻ったので回収。

やっぱ顎でけぇ!


何だかんだ久しぶりに長期戦になったなー。

本当はサクッと獣皇期のモンスターを狩る予定だったのにエンペラーリッチと戦った結果、もう時間が無いよ……


「すみません。エンペラーリッチに時間を取られすぎました。深層、獣皇期の攻略はまた今度、挑みたいと思います!てことで今日の配信は終わります!お疲れ様でした!」


:そういえばそんな時間か

:おつおつー〈500円〉

:エンペラーリッチなんてもん見れたから満足 〈10000円〉

:次回ドラゴンスレイヤーおっさんの誕生〈5000円〉

:次回も期待してます!〈2000円〉

:お疲れでしたー

:素材欲しい!〈5000円〉





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