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第236話 vsエンペラーリッチ その3

ジョーさんメイスを避けながらエンペラーリッチの動きをよく見る。

メイスの重さに持っていかれて振り下ろした後に隙ができることは分かったけど他になにか無いかなー?


:骨のメイス、つえーなー

:重すぎわろた

:あれ、ぶっ壊せたら楽になりそうだけど硬そう

:スケルトンにグールにジョーさんだろ?どっかに継ぎ目があるんじゃね?〈2500円〉

:顎重いから根元殴れば折れそう



「あ、そうか。あれガッチャンコで出来てるから継ぎ目あるよな。コメントありがとう!」


そうだよ、あれその辺のモンスターの残骸で出来てるからどうしても継ぎ目ができるよな。

そこを中心にしっかり見ると確かに、ジョーさんの骨の後ろに継ぎ目が。

細かい骨で覆われてるけど振り上げる度にパラパラと粉がまっている。

あ、これ自重でぼろぼろになるやつだな。

長時間の戦闘には向いてなさそう。

おそらくエンペラーリッチもジョーさんの骨を使う予定はなかったんだろうな。

ドンマイ、俺はすぐにはやられないんですなー。


「よーし、方針は決まった。メイスを中心に攻撃していくぞ!マジックアロー!」


俺はメイスに向けて魔法を放つ。

エンペラーリッチは魔法障壁を展開しガード。

まぁ防がれることは想定済み、俺は次の魔法を準備する。


「ストーンレイン!集中砲火だ!」


エンペラーリッチの頭上に魔法陣を展開して石の雨を降らせる。

今回は魔法陣を重ねて発動させたから密度高め。

エンペラーリッチは自分の前に展開していた魔法障壁を頭上に動かす。

ドドドッと音を立てて石が障壁に弾かれる。

俺はさらに力を込めて雨の密度を高める。


「豪雨に耐えれる障壁を作るのは中々辛いだろ?ほら上に壁を貼るんだよ!ストーンレイン!」


まさに砲弾

石のサイズがボーリングサイズだけど、ゲリラ豪雨のように降り注ぐ。

パッと見、黒い柱に見えるなー。


「……ゥ……グゥ……」


エンペラーリッチは頭上の障壁を厚くする。

障壁が厚くなる度に範囲が狭くなっていく。


「よし!ストーンランス!穿け!」


障壁が体の三分の一程になったことを確認しストーンランスを放つ。

ストーンランスは地面から石の槍を出現させて身体を貫く魔法。

地面から生える槍だから下に障壁があると弾かれるんだよね。

ストーンランスはメイスに伸びていく。

ストーンレインを唱えながら発動したから威力は落ちてるけど、ダメージを負っている継ぎ目に当たれば楽々粉砕できるでしょ!


ゴリッメキッ


ストーンランスがメイスを貫き、ジョーさんの顎が地面に落ちてただの骨の棒になった。

よしよし、だいぶ楽になったぞ!


「さぁ、次はお前だぞ。今度こそ勝負だエンペラーリッチ」


エンペラーリッチの眼にある炎が赤くなったように見えた。





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