第235話 vsエンペラーリッチ その2
ドッガァーン……
振り下ろされたメイスが地面をエグる。
俺はギリギリで回避したけどちょっと破片が当たって血が滲む。
「ジョーさんの顎で作るメイスとか鍛冶屋涙目じゃね?てか質量保存の法則どこいったん?」
地面えぐれてるし、明らかに重量増してるやん。
骨で出来たメイスなら片手でとめられると思って構えてたけど避けて正解だった。
正面から受け止めてたらペシャンコだった……
:ジョーさん丸ごとメイスwww
:コラ画像でしか見た事ないわw
:DANKINが実際にやろうとして無理だったんだよな
:DANKINの動画、おもろかったわ〜
:てか遠距離魔法と近接メイスってやばくね?
:そもそも再生能力どーすんの?
「さてさて。近接で一気に倒す想定だったんだけどジョーさんメイスは聞いてないなー。神聖魔法系スキル、あんまりないんだよねー」
『樹鹿王の導き』以外のアンデッド系対応スキルって造兵局ぐらいだったんだよねー。
また神造化兵使ってもあのメイスで破壊されるし、どうしたもんかねー……
「とりあえずメイスから破壊しますか」
俺は草千里を構えてエンペラーリッチに肉薄する。まずはメイスを握っている腕を落とそう。
下から切り上げる形で腕に切りつけた。
対物理攻撃の魔法障壁で防がれたけど、『巨人の拳』で筋力があるので無視して切り上げる。
パリンっと軽い音が聞こえたあと、ドゴッと土煙を上げてメイスが地面に落ちる。
よしよし、しっかり切り落とせたな。
そのまま今度は逆の腕に向かって振り下ろす。
こっちはダークランスを剣に当てられて弾かれた。
「ちっ、一気に両腕はとれないか。けど何となくパターンは読めた」
注意するのは左手。
右手はさっきからメイスを握っているけど魔法は打ってこない。
おそらくあれだけの魔力を使うためにある程度の犠牲を払っているんだろう。
リッチ系って生前魔法研究にのめり込み過ぎた研究者の末路って言われてるしね。
さて、切り落とした右手がまた元に戻る前にさらに攻撃を続けよう。
エンペラーリッチはダークランスと黒い弾―ダークボール―を連射してきた。
外壁を利用しながら避けるけど中々に弾幕が濃いですなー。
壁とか走ってるけどしっかり追尾してくるあたり相当だよ。
とりあえず隙が出来るまで避け続けますか。
:おっさん、特に説明なく壁走ってるwww
:人間やめてる〈5000円〉
:エンペラーリッチ、相手できるだけで凄いのに壁とか走るんか
:まぁ探索者なら出来る
:←風評被害になるのでNG




