第233話 スカルドラゴンとエンペラーリッチ
「マジかよ!ジョーさんをそのままスカルドラゴンに変化させたのかよ!」
エンペラーリッチってそんな能力持ってるんか?!
てかスカルドラゴンの誕生なんて初めて見たよ!
ジョーさんに弾かれて体勢が崩れているところにリッチから黒い弾が襲ってくる。
やっば!
俺はマジックアローを全力で発射して反動で回避する。
黒い弾は俺をかすめて奥の壁に当たって爆発した。
……直撃だったらやばかった。
「……テキ……ヒト……ヤル」
「それしか喋れんのかい!いや、喋られたらそれはそれであかんやつだけど!」
:スカルドラゴンきちゃー!〈5000円〉
:スカルドラゴンってリッチが作ってるのか……
:モンスターを使役するってマジかよ!
:本当に新発見多いよな
:おっさん逃げろ!〈10000円〉
スカルドラゴン―もといジョーさん―を倒すには接近して殴りつけないといけないけどリッチが闇魔法を使い攻撃してくる。
じゃ先にリッチを倒そうとするとスカルドラゴンが身を呈して守ってくる。
ジョーさんの顎、すげー硬いし、リッチも地味に魔法耐性高いから遠距離からブッパして倒せるようなもんじゃないよなー……
さて、どうしたもんか……
「やっぱ使役されてるやつから倒すのがセオリーだよねー。エンペラーリッチって使役してるモンスターが増えれば増えるほど強くなるらしいし。それじゃ行きましょかー」
俺はアイテムバッグから『草千里』を取り出して構える。
草千里、一応肉焼ける機能が付いてるってだけでよく使ってるけどそもそも極大の鉄板だからね。
流石に背骨は砕けないと思うけど関節なら破壊するのも余裕でしょ。
草千里を構えながらジャンプ。
一気にスカルドラゴンの頭上に到達、そこから首の根元に向けて振り下ろす。
ゴリッ
骨が砕け、剣が下まで到達する。
根元の骨が無くなったことで顎の重さだけで残りの骨が押しつぶされガラガラと崩れていく。
殴るより『樹鹿王の導き』の効果は弱まっているけど再生出来なくなっているからあとは自重で砕けていくでしょ。
俺はリッチに向けて剣を構える。
「それじゃやろうや。エンペラーリッチ」
「……ツブス……」




