第221話 先客
セーフゾーンにつくと3人のパーティが先に休憩してた。
やっべ、配信中だから一旦画面落として許可もらわないと。
白川だと下層まで来る人があんまりいないから気にしてなかったよ。
「すみませーん。休憩中のところ。横で配信してても大丈夫ですか?」
「あ、配信ですか?大丈夫ですよ!私たちも配信中なので!」
リーダーっぽい茶髪の女性が手を振って答えてくれた。
他のメンバーも女性ばかり。
装備をみてもしっかり手入れされてるし、中々強いメンバーですね。
そういえば配信中の人と会うことなんて本当に無いから新鮮ですな!
コラボとかやっても面白いけど、今日は深層まで行くからやめとこう。
「配信中でしたか!すみません。すぐに移動しますね」
「いえいえー、お気になさらずー。同接150人なので……」
「コラ、サンゴ。落ち込まないでよ。こっちまで暗くなるよ」
「キズナー……だってさー……頑張っても最高1000人だよー……後輩の人に追い抜かれちゃったしさー……」
「もー、社長はのんびりでいいから、って言ってたし。今日も無事にここまでこれたしよかったじゃない。後輩さんは規格外な人だから比較したらダメだよ」
リーダーを慰める他のメンバー。
聞いた感じ、事務所所属のダンジョン配信者っぽいね。
企業勢って伸びないとすぐに消えちゃうって聞いたことあるから中々大変そうだよねー。
……そういえば俺も企業勢の仲間入りしてたわ。
ヤッベー、案件もの飯以外やってないなー。
そろそろ飯関係以外の案件もやっていかないと怒られそうだ。
あとで花畑さんに案件について再確認してもらおう。
セーフゾーンに入ってストレッチしながらコメントを確認。
うーん、やっぱりなんかおかしいよね。
有識者コメも流れてたけど群れが出来る回数がおかしいよな。
やっぱりなにか起きてるかなー。
深層、ここも最初はアンデッド系が来るから気を引き締めないとね。
そんなことを考えていると3人が片付けを終えてセーフゾーンを出るようだ。
「あ、もう出られます?」
「はい!めげてても仕方ないので!ボス討伐までを目指してたんですけど、想定よりもポーションを消費してしまって。帰還ポータルもすぐそこなので地上に戻ろうかと」
聞いた話だとこの3人もゴブリンの群れに複数回襲われていたそう。
やっぱりなにか起きてそうだな……
それはともかく、無理をしないことが探索者として一番大事だからね。
そこが分かってる子ならこの先しっかり伸びていくと思うよ。
あ、そうだ!いいこと思い付いた!
「あ、そうだ!ここであったのも何かの縁なのでお互いのリスナーに、自己紹介し合いましょうよ!」




