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第215話 ナウロ王国 ~サヒーリ・カラデシュ・モックス~

「……ドムリ、タジマさんはどう?ニホンが変な人を連れてくるとは思ってないけど。大丈夫かしら?」

「まだなんとも、配信で見た以上の情報は得られませんな」

「……そう」


ドムリの言葉に頷くしかない。

タジマアラタ、日本にいるSSSランクの探索者。

最初の出会いがジャパニーズセイザでギルド職員から怒鳴られていたためだろうか。

私の護衛が務まるとは到底思えない。


私、サヒーリ・カラデシュ・モックスはナウロ王国第三王女でもあり、Sランクの探索者である。

ここ、ニホンへ留学もナウロ王国への企業誘致もあるが、メインは探索者としてのレベルアップ。

ナウロにあるダンジョンは深層、しかも3層までしかない。

ダンジョン産のアイテムもそこまで珍しいものはなく国際的に注目度は低い。

今回の留学はなんとしても成功させなければ。


「ドムリ、アラタへの『カマラル・ンガ』の結果は?ニホンがなにかしてくるとは思えないけど」

「……先程から術をかけているのですが、タジマの情報は手に入りません。恐らく精神防御系アイテムか常時発動型の防御魔法かと……」

「なんですって?『カマラル・ンガ』はルーカ家、いえナウロの秘技でしょ?魔法ともスキルとも判断されていない秘中の秘……アイテムでは防げないはずじゃなかったの?」

「おっしゃる通りです。こんなことは初めてです……申し訳ありません」


ナウロの秘密、それはダンジョンが世界中に出来る前から魔術が使えたこと。

魔術と言うよりは占いや催眠に近いものかもしれないけど先祖代々シャーマンの家系である人々が多い。

執事のドムリも軍人でありながら名門ルーカ家のシャーマンでもある。

元々は外交官であり、シャーマンとしての力を使い、外交時には相手の考えを読み色々な交渉を進めてきたやり手だ。

後進に後を譲り私の執事を務めているがその力は今だ衰えていないはずだった。

『カラマル・ンガ』は対象者の所有する武装、アイテム、スキルの情報を手に入れる術。

そもそもが魔術とは違う性質だから人間相手なら必ず情報を手に入れることができると言われていた。


「『カマラル・ンガ』を防げる人はいない……アメリカやフランスのSSSランクにも通用したと言っていたじゃない。あのニホン人がそんなに強いなんて……」

「姫様……これは中々お強い護衛をつけられましたな」

「姫、私からも一つ」

「ジェスカ、貴女も?いいわ、教えて」

「……先ほどタジマ氏と並んでいた大柄の2人、彼らも明らかに異質です。タジマ氏と共に『エクワンィエ』を使いましたが、弾かれました」

「なんですって……」


私は絶句してしまった。

ジェスカはメイドでありながら父上が持つ闇の術者一派の長。

闇の術者、と言っても映画とかでいうスパイと言うやつだから暗殺とかはしない。

……もしかしたらしているのかもしれないけど、一旦は置いておいて。

『エクワンィエ』もナウロに伝わる秘術の一つ。

対象の精神に無意識の圧力をかけて、他の術を効きやすくするための言わばデバフ魔法。

『カラマル・ンガ』を使用する前などに使うことが多いそうだが、これもギルドにも報告していないナウロの秘中の秘技だ。


それが通用しないなんて……ニホンはどうなっているの?!



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― 新着の感想 ―
おはようございます。 護衛依頼した相手にこの仕打ちか…千歩譲って要人の安全の為の素行調査という面を加味しても、流石に失礼極まりないなこやつ等。
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