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第214話 じゃ、6月からよろしくお願いしまーす

「サヒーリ殿下はすでにSランクでいらっしゃいますよね?俺……ゴホン、私がいなくても問題ないのでは?」

「ランクといえばそうです。しかし私が入ったダンジョンは自国のみ。深層を探索したこともありますがそのときのパーティは今回同行していませんので協力を依頼したのです。ドムリもジェスカもモンスターには敵いませんので」


サヒーリ殿下のパーティは小学校からの同級生らしい。

今回の留学は王族のみなので一緒に来日できなかったそう。

まぁ『探索』ではなく『留学』ですからね。

学業優先ですよね、学生ですし。

そして、ドムリさんとジェスカさんはやっぱり強かった。

2人とも軍人だったよ……なるほど納得。


「なるほど、承知しました。約一年ですがよろしくお願い致します」

「呼び名についてはサヒーリ、で問題ありませんよ。ドムリもジェスカも呼捨てで問題ありません」

「いえいえ、王族の方を呼捨てなんて。畏れ多いです。サヒーリ王女」

「一年ではありますがパーティを組むのです。自国のパーティでも呼捨てですし」

「いえいえいえ……畏れ多いです。せめて殿下で」

「呼捨て!呼捨てで呼んでください!……はっ、呼捨てで構いませんので!宜しくて!」


あ、今ちょっと素が出たかな?

それはそれとして、サヒーリ王女を呼捨てなんて本当に出来ないよ。

王女がよくても世間が要らん詮索するからね……

丁重にお断りさせていただきたい。



……押し問答の結果、さん付で呼ぶことになりました。

ドムリさん、ジェスカさんと同じ呼び方ですね。

マスコミに抜かれても大丈夫なようにギルドから連絡して貰おう……

あ、サオリンにも連絡しておくかな。

マスコミ関係なんとかしてくれたりしないかなー、なんて。


押し問答の時に分かったけど、サヒーリさんは結構イマドキの女の子だね。

今の口調も外交モードらしいので途中から素の口調に戻ってきてたからドムリさんに指摘されてたよ。


「てことで、よろしくお願いね!……あ、よろしくお願いいたします。ダンジョンに潜るのは学校に慣れてからですので6月中旬になるかと思いますのでその時にまた、連絡させていただきますね」

「承知しました。6月上旬は仕事が忙しいので、中旬からであれば助かります」


6月は繁忙期だからね、仕方ないね……



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