第212話 王女殿下との邂逅
「あら。賑やかだと思ったらSSSランクの方がこんなところに」
「姫様、お待ちください」
ふと福崎さんからの説教を聞いていると声をかけられた。
頭を上げるとサヒーリ王女とその従者の方々がいらっしゃってました。
わーぉ、タイミング最悪ですね。
……SSSランクが説教される場面とか世界的にも中々無い光景ですよね。
「初めまして、サヒーリ殿下。田島安来太です」
「本当にSSSランクのタジマ様ですの?確かに食にうるさい方とは聞いていましたが……説教されるほどとは……」
「田島さんはお肉に目がないだけです」
……福崎さん、そんな言い方無いんじゃないですか?
肉以外も食べますよー
甲殻類は苦手ですけどー。
「そうでしたの。タジマさんとは後でお話を、と思っていたのですが今よろしくて?」
「ええ。もちろんです。せっき……お話も済んでおりますので」
「私たちも一旦席をはずしますわ。ほら行くよアンタ」
「あ……足が……」
福崎さん、ゴン太、ミミ、ゆり、ちりちゃんは一旦別の席に移動し、俺は正座を解いて椅子に座る。
この前公開説教を食らったばっかりだからね、しびれは最小限に押さえましたよ。
「では改めまして、自己紹介から。ナウロ王国第三王女、サヒーリ・カラデシュ・モックスと申します。よろしくお願い致します。こちらは私の執事兼護衛を務めているドムリ、隣はメイドのジェスカです」
サヒーリ殿下の紹介の後、隣にいた従者の方が頭を下げる。
「ドムリ・グル・ルーカと申します。姫様共々よろしくお願いします」
「ジェスカ・イゼ・ブレストです。姫の身の回りの世話を任されております。よろしくお願いします」
ドムリさんは白髪交じりのナイスダンディ。
年は50代後半かな?
ゴン太ほどではないけど筋骨粒々、足さばきから明らかに一般人ではない感じがするよ。
ジェスカさんはゆりと同じぐらいの背格好。
胸が大きい。本当に大きい。
……こんな感想、声に出したらゆりにしばかれるな。
けど、ジェスカさん挨拶のときも音もなく近づいて来てたし、普通に立っていても周りをよく見てる。
太もも辺りからナイフやトゲが出てきても驚かないぐらいには強者の雰囲気がある。
……王族の周りの人ってやっぱその道のプロなんだろうなー。
むやみに近づかないことですね、うん。




