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第202話 さて、どうしたもんか

「戻ってきたものについて、福岡ギルドで話し合い、その当時支部長だった吉松氏(前のオーナーさん)が引き取り、桜小路さんや陰陽道に精通している探索者12人を呼んで蔵ごと再度封印した、ということになります」


封印の際に、福岡、熊本で産出された魔水晶の7割が使用されたって。

なんで熊本の田んぼの中、住宅街も近いのに?ってところは不明らしい。

支部長クラスしか知らない極秘事項だって。

……今度長嶺さん締め上げてみるか。



「長く説明して貰って助かります」

「あの事件、子どもながらにダンジョンこわいって思ってましたけど、そんなことが……」


あまり探索していないゆりでも知ってる事件だもんな。

ダンジョン黎明期、しかもギルドが出来てすぐのゴタゴタな時期で起きた凄惨な事件。

あの事件があってからダンジョンに入る制度が見直されて、ランク制度とかが出来たんだよね。

その後の氾濫も門司の経験を活かして犠牲者の数を減らしていけてるんだよな。


「封印については触れなければ問題はないかと。長嶺支部長は田島さんの魔力なら無意識に蔵に近づいて封印が解除されることを懸念されてました」

「そんなむやみやたらに魔力は出しませんよ!そもそもダンジョンから出たら魔力は8割減するじゃないですか」


人のことをなんだと思ってるんだ、長嶺さん!

俺は魔力があることを自覚してるのでしっかりコントロールしてるんですよ!

しかもダンジョンの外に出たら使える魔力は格段に落ちるからほとんどの人は魔法が使えないんですよ。


「え?そうなの?家で電気代けちるために風魔法で洗濯物乾燥させてたじゃん」

「洗濯物を乾かす……ですか?普通の風魔法であればそよ風程度しか出せないはずですけど……」

「えー!そうなんですか!てっきり風魔法使える人はみんな使ってるもんだと」


ゆり!それは秘密にしてる内容だから黙ってて!

俺が規格外なの知ってるでしょ!

あーぁ……聞いてた南阿蘇さんが怪訝な顔しちゃったよ……


「田島さん、貴方、地上で魔法使えるんですか?ダンジョン内と同等で?」

「……魔法は8割減してますよ。8割減して洗濯物を乾かすぐらいの魔力しか出せないだけです」


他にも砂の城(子供が乗れるサイズ)作ったり出来るぐらいですよ。

あ、万能翻訳魔法はどーなるんだっけな?

まぁ単純魔法だから別扱いだったりするじゃないかな?知らんけど。




……あ、南阿蘇さんが気絶した。



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