第197話 うん、ちょっとこれはない
南阿蘇さんにつれられて物件まで移動。
とりあえず学校から近い順に見ていく。
1軒目の平屋はリフォーム済との話だったけど、水回りにカビが生えてたり窓枠が歪んでしっかり開けれないなど問題が多い。
南阿蘇さんに聞いたところ、ここはリフォームか建て直しが必要だって。
家の購入費とは別に費用がかかるのはいただけないですね……
と言うより最近新築資材不足でなかなか時間がかかるらしいからちょっとなー。
あと駐車場が思ってたより狭かった。
うち、車2台あるし、知り合いとかもちょくちょく来るので車は多く停めれる方がありがたいんですよね。
そもそも道に出るのが厳しいのは……ちょっといただけないかな。
2軒目は今住んでるアパートから500メートルほど離れた家だった。
……鬱蒼としたジャングルのような樹木に覆われたお宅でした。
散歩の時よく見てたなー。
ここ林だと思ってた……
厄介な点はこの木々。
前のオーナーが庭が大きいから大量の木々を植えた結果毎年秋にすごい量の落ち葉が溜まるらしい。
あと花が多く咲く品種だから虫がよってくることも拍車をかけているとのこと。
ゆり、虫が苦手だからこういう家はいや!っていつも言ってた家だったよ。
内覧も俺と子どもたちだけで行ってきた。
俺の地元、田舎だからこういうのは落ち着くんだけどねー。
「とりあえず2軒、見てきましたけどいかがですか?」
「うーん、1軒目は車通勤だと厳しいですね。あとリフォーム必須かと」
「2軒目は、無理です。虫無理。無理無理無理」
「……奥さん、わかりましたから落ち着いて」
ゆり、南阿蘇さんが引くぐらい目が死んでるから戻っておいで。
とりあえず選ぶとしたは1軒目だけど、多分取り壊して建て直すぐらいしないと厳しいかもねー。
「なるほど、じゃ次は3軒目ですね。ここは一番癖があるお宅です……」
「え?そこまで……まさか事故物件?」
「幽霊が出るなら無理無理無理無理……」
「いえいえ、死人が出たとかないですのでご安心を。ただここを紹介できる方は田島さんしかいない、とのギルドからの判断になります」
えー……
長嶺さん、どんな物件を紹介してきたんですか……
もう厄介事に巻き込まれる匂いがプンプンしますよ!
流石に、今回は家族もいるから内容によっては拒否しますからね!




