第112話 同級生におごって貰う
「サオリン、ここにいるってことはさっきの記者会見いたの?」
「うん。今はヒノデテレビの記者やってる。今年からだけどね。まだまだ新米よ」
「いいやんいいやん。出世街道走ってるやーん。同期としても鼻が高いね」
「単純に出世ならあーさんが一番じゃん。いきなりSSSランクとか聞いてないよー。中学時代から化け物だったけど。今回は取材担当に選ばれたからよろしくね」
……SSSランクに上がったらそりゃ一番だよな。
同窓会、他のメンバーは役場職員になったり、警察官になったりしてて俺は話題がなかったもんなー。
……ってあれ?担当?
「担当?てことはアメリカまで来るんか?」
「そうそう!今回のオークションについて行くから取材もよろしくね!いい感じにニュースにするから」
「……根も葉もない事書くなよなー。俺炎上とか嫌だよ」
「大丈夫!その辺はしっかり書くわ。この取材、私にとって最大のチャンスなんだから」
グッと握りしめて俺に言ってくる。
俺に言われてもなー。
まぁ無理にネタを寄越せ!と言われないだけマシか。
「じゃ、個別取材とかしたいんだけどもう時間とかない?」
「いきなり個別取材かいな。ガツガツ来るの変わらないなー。時間は一応あるけど……」
「じゃちょっと外に行かない?ランチもまだでしょ?この辺いいお店あるから紹介するよ」
マジか!ありがたい。
お言葉に甘えて紹介して貰お
「……ちなみに今財布にお金ドルしかないんだけど」
「……取材費で落とすわ」
スマン……
サオリンのおすすめの店は塩サバが美味しいお店だった。
てっきり洋食屋とかに連れていかれると思ってたからスッゴい意外。
昼飯の時間は過ぎてたけど10人ぐらい並んでた。
サオリン曰く、仕事で忙しい時はジャンクフードばっかりになるから食べれる時は和食を食べるようにしてるんだって。
その話、分かるわー。
俺も繁忙期、あんパンと牛乳だったりスッゴい簡単な飯になるもんな……
席についておすすめの塩サバを注文。
注文してすぐに焼きたての品が出てきた。
塩サバはそこまで塩辛くなく、けど鯖本来の味が美味しいのでご飯が進む進む。
脂も乗ってるし、身の固さも絶妙。
ご飯おかわり自由と聞いて3杯も食べちゃった。
アメリカに着いたら純和風の飯は食べれないからね。
日本に帰ってきたらまた来よう。




