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ポンちゃん(嫉妬)しーちゃん(恍惚)


 私は知っている。

 日向さんが……日向さんが……


「ふふっ。おいで、ポンちゃん♪」


 私のいないところでポン助のことをポンちゃんと呼んでいることを。


 可愛いんですよ?可愛いんですけど……

 私でもちゃん付けされたことないのに……



 大学に用があり、帰ってきたのは夕七つ。

 リビングでは、扉一枚を隔てて日向さんとポンちゃん(嫉妬)が楽しそうに遊んでいる。


「ポンちゃんはそこが好きだね」


 日向さんの膝上に寝転ぶポンちゃん(略)。

 そこは私の場所なのに……


 私だって……私だって……


「私だってちゃん付けされていっぱい撫で撫でされたいんです!!!」


「し、雫?」


 ◇  ◇  ◇  ◇


 というわけで日向さんの膝上に寝転んでいます。

 恥ずかしくてどうにかなってしまいそうなので、顔は埋めている。


「しーちゃん、顔見せて?」

 

 しーちゃん……可愛すぎるよ……


 私だって、どんな顔で言ってるのか見たいんです。

 でも……


「私、子供っぽいですよね……大切な家族であるポン助に嫉妬して……」


「ううん、そんなしーちゃんも好きだよ。私の顔、見たくないの?」 


 声が徐々に近づいてくる。

 日向さんの温かい息が、私の耳に吹きかかる。

 

「じゃあ今日は……しーちゃんは猫ちゃんね」


 小さく頷いて、ニャンと鳴く。

 私はあなたのネコだから。


 撫でるその手が心地良くて、いつもの私に戻るのに三日かかった。


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