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年末ベリーショート
年越し用の買い物から帰ってくると、日向さんはソファの上でお眠りになっていた。
寝ている姿一つでも、日向さんは美しい。
思わず近くで見つめてしまう。
「ふぇぇ……可愛いですね……」
堪らず声が出てしまったが、日向さんは起きる気配がない。
せっかくなので、もう少しだけ。
こんなに可愛い人が、私の恋人なんだよね……
誰よりも私の事を好いてくれているなんて、夢みたい。
唇に指が触れ、その指を自分の唇につけた。
「今年は幸せな一年でした。全て、あなたのおかげです。来年はもっと……もっと一緒に、幸せになりましょうね」
恥ずかしくて言えない言葉でも、今ならすんなりと言える。
優しく唇にキスをして、その場をあとにした。
「…………ふふっ。ホント、敵わないや」




