雫ちゃんのとある日常①
普段は一番前の席で講義を受けているが、今日は朝一の講義に少しだけ遅れてしまった為、一番後ろの席に座る。
朝から幸せいっぱい(色々な意味で)だったので、家を出る時間が遅くなってしまったからである。
馴染みの薄いグループが近くで談話しているが、この人達は講義を聞く気が無いのだろうか?
「昨日のパパは凄い事してきたわー」
「出た出た、ツッキーの猥談」
「で、何プレイしたん?」
父親と何かしらの遊びをしたのか、楽しそうな声で話している。
ワイダン……何だろう、帰ったら日向さんに聞こう。
「──── でさ、── が────
」
「うわぁ、それはドン引きだわ」
「アブノーマル過ぎん?」
講義に集中したいが、否が応でも耳に入ってきてしまう。
どうやら彼女は父親と卑猥な行為をしたらしい。
世の中は、私が思っている以上に広いんだなぁ……
「そしたら── が──── で──
」
「凄……」
「ド変態やん」
ふむふむ、そうなんだ……
でも日向さんの方がもっと……
「── なのに──── がもう凄いことになってさ、私──── だよね」
「いやいや、流石にそれは盛ってるしょ?」
「通り越しての神秘やね」
……今朝のアレのほうが凄い気がするけど…………
あれ?
◇ ◇ ◇
「おかえりなさい。あれ、どしたの? そんなに息を荒らげて……」
「ひ、日向さん!! 私、もしや物凄い変態さんなのでは!!?」
「な、何があったの……?」




