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なりきりショート・先輩後輩JC編


 日向さんのご実家で彩さんと勉強会。

 帰り際、日向さんのお部屋から沢山の写真帳を持って帰ってきました。


「ふぇぇ……可愛いですね……これは中学生の時ですか?」


「うん、映画の初主演をした年かな。若いよね」


 可愛い。

 凄く可愛い。


 ……語彙力が低下する程可愛い。


 この時の日向さんに会いたいな……


「今日さ、中学の制服持ってきたんだけど……見たい?」


「みっ、見たいでふ!!」


 思わず噛んでしまったけど、それどころではないくらい見たい。

 

「ふふっ、じゃあこれ雫の分ね」


「ふぇ?」


 ◇  ◇  ◇


「うん、やっぱり似合ってる。可愛いよ、雫」


「ど、どうして私も!? 何故2着もあるんですか!?」


「彩のやつを拝借してきたの。可愛いなぁ……」


 恥ずかしいよ……

 でも日向さんは喜んでくれてるし……

 

 もし、同じ学校に通ってたらこんな感じだったのかな。

 

「ねぇ、せっかくだから中学生に戻ってみよっか」


「ふぇ?」


「私が後輩で雫が先輩ね。ちゃんとタメ口使うんだよ?」


 という訳で、中学生になりきってみます。

 ……先輩?


 ◇  ◇  ◇


「あーまーやーさん♪」


「可愛い……えー……可愛い…………」


「もー、嬉しいけど雨谷さんは先輩ですよ?」


 そっか、先輩先輩……

 先輩ってどんな感じなのかな?

 取り敢えず敬語は無しだよね……


「は……は………」


「ほら、頑張って下さい」


「…………はる……ちゃん……」


「…………」


「は、はるちゃん?」


「ごめんなさい、可愛すぎて堪えてました…………雨谷さんは好きな人とかいるんですか?」 


 わー、日向さんが持ってる恋愛漫画みたいな展開……

 あのお話だと両想いなんだよね。

 と言う事は……


「……うん、いるよ?」


「そっかぁ……いいなぁ、雨谷さんに好かれてる人は」


 正解は分からないけど、もし私達が同じ学校で……先輩と後輩だったら。

 もし私が、今よりも少しだけ前向きな性格だったら……


 頭を撫でて、おでこにキスをする。


「ふふっ、はるちゃんだよ?」


「…………」


「はるちゃん? きゃっ!!?」 


 息を荒らげた日向さんは、私を押し倒しておでこ同士をつけている。

 

「雨谷さん……あなたの事をもっと深く知りたい」


「ふ、不純同性交遊だよ? こういう事はもっと大人になってから……」


「じゃあ……一緒に大人に成りましょう── 」


 お互い癖になりました。


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