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甘々ベリーショート
6月に入り、暑さは日に日に増していく。
今日の食後のデザートは、冷蔵庫で冷やしておいたサクランボ。
美味しそうに何個も頬張る日向さんが、とても可愛らしい。
ふと動きが止まって、口の中をモゾモゾとさせている。
「見て、上手でしょ?」
口から出されたサクランボの果柄は、何故か結ばれた状態だった。
「…………ふぇ!? ど、どうやったんですか!?」
「口の中でチョチョイって。雫もやってみたら?」
言われた通りにするが、上手くいかない。
そもそもどうやったら出来るんだろう……
「出来ません……どうやればいいんですか?」
「……こうするんだよ」
初夏の味覚、サクランボ。
お店で見る度に、幸せな感覚を思い出してしまい顔が紅くなる。
つい手に取ってしまう自分が恥ずかしい。




