甘々ショート①
私達の新居には、日向さんが持っていた漫画が沢山置いてある。
いつでも見ていいよと言ってくれたので、少しだけ気になってしまい見てみることにした。
高校生とサラリーマンの恋するお話。
ふむふむ、こうやってスキンシップするのかぁ……
私には…………うん、少し難しいね。
……あ、これなら出来るかも。
◇
「ただいまー。今日もシンドイ撮影だったにゃー」
「おかえりなさい。その……えっと……」
「ん?」
「ご飯にしますか?お風呂にしますか?そ、それとも……その……えっと……あの……」
「……それとも?」
全てを理解した上で、日向さんは私を壁に……こ、これって漫画にあった壁ドンというヤツでは!?
いつも以上に日向さんがキラキラして見える。
ど、どうしよう……
「……ふふっ、漫画見たんでしょ?どうだった?」
「……素敵なお話でした。でも……」
「ん?」
「わ、私には漫画以上の出来事が起きているので、その……幸せだなと感じてました」
私から、頬にキスをした。
私なりにゆっくりと、少しずつ前進出来ている。
「……堪んない。ベッド行こ」
「えっ!? きゃっ!!」
いつもジムで鍛えている日向さん。
私をすんなりと持ち上げて、寝室まで運んでくれた。
「で、さっきの続きは?」
「ふぇっ!? い、言わなきゃ駄目……ですか?」
「駄目。言って」
「その…………それとも…………私に……しますか?」
「うん。する」
漫画以上に甘い日々。
日向さんが主役なら、私は……
考えただけで溶けてしまいそうだったので、全てを日向さんに委ねて、少しだけ強く抱きしめた。




