なりきりショート・カタツムリ編
降り続く雨で気温は下がり、朝布団から出られずにいる日向さん。
私も真似をして布団に包まってます。
なんだかカタツムリみたい、そう思った矢先……
「なんだかカタツムリみたいだね」
「…………同じことを考えてました」
「ふふっ、仲良しだ。ねぇ、どっちがカタツムリになりきれるか勝負しよ?」
というわけで、カタツムリ勝負です。
「じゃあ私からやるね。よいしょっ」
海老反りになり足を後頭部付近まで近付ける日向さん。大きめのタオルを掛け見事な殻を作ると、とびきりの笑顔で……
「見てみて、ひなツムリだよ♪」
どうしてあなたはそんなに可愛いのでしょうか。
抱きしめようとしたけれど「雫がやってからだよ?」と、愛らしい声で言われてしまったのでやらざるを得ません。
カタツムリ……
両の人差し指を尖らせてツノを作り、ひなツムリさんにツンツンします。
「ふふっ、何してるの?」
「恋矢といってカタツムリはこのツノでブスブスと相手を指し自分のモノだとマーキングしてその後交尾するんです。だからこうしてブスブスと…………日向さん? どうして服を……」
「もう雫のモノだよ。ほら、交尾するんでしょ?」
「た、例え話でして、そ、その……」
「はい、どうぞ♪」
秋黴雨。一つの殻にこもる二匹のカタツムリは、いつまでも情交を結んだ。




