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第62話 熱闘!クリーン作戦!

 その日は、地域のクリーン作戦があった。


 クリーン作戦とは、周辺の自治体やら自治会やら学校やら一部民間企業などやらが総出で、地域一丸となって行われる広域清掃イベントのことである!


 というわけで、俺たちは土曜日にもかかわらず高校に行き(ちゃんと代休はある)、学校周辺の通学路や公園のゴミ拾い&草むしりに励んでいた。


 しかし「そろそろ梅雨が近づいてきた」という時期にもかかわらず、天気予報は余裕の夏日(25℃)越え――どころか真夏日(30℃)の可能性を報じていた。


 これが地球温暖化の影響か……。


 蒸し蒸しする高湿度の中、ギンギンギラギラと強烈に自己主張する太陽さんにあぶられながら、俺と小春と姫乃ちゃんは河川敷の公園の一角でしゃがみこんで、雑草をひたすら根っこから引き抜いていた。


 3人とも上は半袖の体操服で、下は学校指定のハーフパンツを着ている。


 しかし暑かった。

 なにせ暑かった。

 とても暑かった。


「暑いよー……」


 小さな手持ちクワを、雑草の根っこにザクっとぶっ刺して力いっぱい引き抜きなら、小春が嘆くように言った。

 見るからにうんざりした顔をしながら、抜いた雑草を、雑草置き場にポイっと投げる。


「暑いよな……はぁ」


 俺もため息交じりに言いながら、同じように手持ちクワを雑草の根っこにぶち込んでフンスと引っこ抜いた。

 そのまま雑草置き場にポイっと捨てる。


 たったそれだけでじっとりとした汗が噴き出てくる。


 いや、今日、暑すぎでは……?


「暑いですね……」


 そして姫乃ちゃんも手持ちクワを根っこに差し込んで、うんしょ、うんしょと前後にグイグイ動かして、がんばって雑草を抜こうとしながらつぶやいた。


「姫乃ちゃん、そいつはちょっと大物だな。俺が抜くよ。フンス!」


 俺は姫乃ちゃんの抜きかけの雑草を力いっぱい引き抜くと――かなり深くまで根を張っていた――雑草置き場に投げ捨てた。


「ありがとうございます勇太くん」

「いいってことよ」

「やっぱり男の子ですね。頼りになります」

「あはは、まぁこれくらいはさ」


 なんて会話をする間も、汗が吹き出てくる。


 しかし、暑いな……。


「それにしても暑いよー……」

「それにしても暑いよな……」

「それにしても暑いです……」


 最初の頃はさ。


『今日ってめっちゃ暑くない?』

『これもう真夏だよな』

『温暖化ってやっぱり進んでるんですね』


 とかなんとか軽口を言って笑っていたんだけどさ。


 開始から30分以上経った今では、口を開けばため息とともに「暑い……」と恨み言のような言葉しか出てこない俺たちである。


 ほとんど文句を言わない姫乃ちゃんですら暑い暑いと言っているあたり、今日は本当に暑いと思う。


「暑いよー……」

「暑いよな……」

「暑いです……」


 ザクッ、グイグイ、フンスッ!


「暑いよー……」

「暑いよな……」

「暑いです……」


 ザクッ、グイグイ、フンスッ!


「あー、もう無理。ちょっと休憩ー。お茶飲みに行こうよー」


 小春がうんざりしたように言った。

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