表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋×今恋 高校に入学したら昔、水をぶっかけた初恋の女子が右隣の席に座ってた。朝、起こしに来る幼馴染みは左隣に座ってる。  作者: マナシロカナタ(かなたん)★ネコタマ★3巻発売決定!☆GCN文庫
第2章 今恋の幼馴染みと初恋の少女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/92

第12話「だから明るくて優しい男の子だって褒めてるじゃん」

「さてと、この後はどうする? せっかくだしファミレスにでも行って、話でもしないか?」

 俺の提案に、


「ごめんなさい、この後は両親とランチをする予定なんです。校門で待ち合わせをしていて、お店も予約していて。だからそろそろ行かないとです」


 姫乃ちゃんが申し訳なさそうにつぶやいた。


「一生に一度の高校の入学式だもんな。姫乃ちゃんだけじゃなくて、ご両親も。楽しんできてね姫乃ちゃん」

「ありがとうございます、勇太くん」


「じゃあ校門まで一緒に行って、アタシたちは帰ろっか」

「だな」


 教室を出て、校門まで3人一緒に向かう。

 俺を真ん中に、左が小春、右が姫乃ちゃんというポジションだ。


 さっきは張り合うように見えた小春と姫乃ちゃん。

 俺は初対面の2人が打ち解けられるか少しだけ不安だったんだけど、今はすっかり意気投合した様子で、移動中も俺の話で盛り上がっていた。


 どうやらさっき感じた不穏な空気は、俺の勘違いだったらしい。

 よかったよかった。


「ねーねー、前の学校のユータってどんなだったの?」


「そうですね……すごく優しい男の子でしたよ。困っている子がいたら、明るい声で話しかけては、よく手伝ってあげていました」


「わかるー! ユータって、困ってる人を放っておけないタイプだよねー」


「私もよく助けてもらって。私は運動が苦手で、鉄棒の逆上がりがずっとできなかったんです。でも勇太くんが親身になって教えてくれて、励ましてくれて。おかげでできるようになったんですよ」


「わっ、えらいじゃんユータ」

「ま、まぁな。でもコツをちょっと教えただけで、あとは姫乃ちゃんが頑張ったんだぞ」


 当時ぽっちゃりだった姫乃ちゃんは、体育がすこぶる苦手だった。

 だから最初から自分には逆上がりなんてできないと思い込んで、諦めていた節があったのだ。


 だから俺は「姫乃ちゃんは絶対できるから! 俺、練習とか付き合うからさ」とエールを送り続けた。

 姫乃ちゃんが「勇太くんがそんなに言うなら、がんばってみようかな?」って、それに応えてくれただけだ。


 あとはほんと、YouTubeで初心者が逆上がりをできるようになるまとめ動画を研究して、俺なりに理解ったコツを姫乃ちゃんに伝えたくらいで、別に俺がすごかったわけでもなんでもない。


 頑張った姫乃ちゃんが一番すごいのだ。

 さすが姫乃ちゃんだよ。


「おかげで大嫌いだった体育の時間も、少しずつ楽しくなってきたんです」

「わかるー。苦手意識がなくなると、ぜんぜん違うよねー」


「逆に、転校してからの勇太くんはどうだったんですか? 最近の勇太くんのことも聞いてみたいです」


「んー、そーだね。転校してきた頃は妙におとなしくて、落ち着いた子だなって思ったんだけど」


「あー、うん」

「ぁ……」


 小春の言葉に、俺と姫乃ちゃんは鏡合わせのように顔を見合わせた。


 あの時はもう本当にいろんな人に怒られたからな。

 お小遣いはしばらくもらえなかったし、転校で姫乃ちゃんと離れ離れになっちゃったし、友達はゼロになったし、生活環境もガラッと変わったしで、俺も気持ちが沈んでいたのだ。


 姫乃ちゃんが申し訳なさそうな顔をしていたので、俺はにっこり笑ってあげる。

 すると姫乃ちゃんもふわりと柔らかく笑ってくれた。


「でも今はこんな感じー」

「おいこら小春、こんな感じってなんだよ。もっと言い方ってもんがあるだろう」


「だから明るくて優しい男の子だって褒めてるじゃん」

「お、おう。さ、サンキュー……」


 そ、そんなストレートに褒めるなよなっ!

 恥ずかしいだろっ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ