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コロシタノダレ ~黒幕の脅威と地下学園脱出~  作者: まつだんご
―エピソードⅣ― 「裁判枠と冷凍人間」
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第三十八話 『 フレームデッドゲームスタート 』

 コロシアイ脱出ゲームの始まり


 午前7時12分。夏男が睡眠をとってから既に10時間以上経過。ようやく目を覚ました夏男に襲うは右肩の銃傷によるひどい痛み。息を整えながらもう一度右肩の傷の具合を確認する。


 出血が治まっている。弾が貫通したのか、肩に減り込まれているのか分からないので弾の行方を追う。床下で見つけた血痕の付いた銃弾が一発。どうやら銃弾は右肩を完全に貫通したみたいだ。傷口がズキズキしたり痒くなったりと気にしないでいられない様子。起き上がってみると、空気が傷口を引っ掻き回す勢いの痛さを生じてしまい、思わず声を上げる。


「痛いッーーぃ!」

 先が思いやられるなこりゃ。何とかしてダレかに傷口を手当てして貰わないと。俺にはどうする事も出来ないし、此処には30人もプレイヤーが居るんだ。1人位、医療系の人間でも派遣されているだろう。


 部屋に置いてある目覚まし時計で時刻を確認してみる。


「はっ待ってくれよ痛っ!」

 あれから10時間以上も経過しているのか!?――ゲームは、ゲームはどうなった!?


 慌てて玄関まで走る。そこで見つける不気味に置かれた一枚のブラックディスク。『ゲーム開始1時間前になったらこれを視聴してね★』と書かれたメッセージがDVDに貼られている。少しイラッとしたのであろう、そのメッセージを破ってみせる夏男。


「何がゲームだ。ふざけるな」


 DVDの表紙は真っ黒になっていて、何が映し出されるのか検討が付かない。思わずDVDプレイヤーを探す。


 使い物にならないテレビの下でそれを見つける。一瞬視聴するのを躊躇ためらっていたが、このまま見ない訳にもいかない。DVDプレイヤーにDVDを入れ、テレビの電源を入れる。DVDの読み込みが数秒で終わり、画面に映し出されたのは見覚えのあるキャラクター……


 チュリぞう。

『やーいオ前ら、溌剌ハツラツしてるーーー!? さーてさてゲーム開始まで残り1時間を切ったところで、フレームデッドゲームを進行していく下準備に取り掛かるぞー。みんなー、準備は良いかい?――え、何だって。まだ2時間前だけどもう観ちゃってるって?――ふーん、まぁ別に良いよ?――そういう可愛いところはチュリ、許してあげちゃう系女子なの★』


「我慢ならない。命懸けであの人形打っ壊すか」


『さーてさて今回オ前らには枠ミッションについての説明と、実際にミッションを決める段階まで進めた訳だけれども、これからその枠ミッションをより狡猾的にやって貰おうと思って、細かい内容のと、このゲームの鍵となる〝パートナー〟について少しだけ説明をする。一度しか言わないからよーく聞いておくように!――あっ今回はDVDを巻き戻せば何度でも聞けるね★ あー、それと今回大広間に集まらなかった愚かなプレイヤー共。次にチュリの命令を無視したら、今度こそ罰を受けて貰うから覚悟しろよな!――今回は見逃してやるけれど……そんな愚か共には昨晩のうちに枠ミッションくじを無理矢理引かせてやった。良い子のプレイヤー達は絶対に真似しちゃ駄目だぞ!』


 フレームデッドゲームのルール

 ・参加プレイヤーは計30名

 ・期間は1日16時間の計30日間

 ・就寝時間は22時~6時(就寝時間の間は個室待機・出入禁止)

 ・プレイヤーにはそれぞれ枠ミッションが与えられる

 ・脱出方法は脱出ルートを抜けるか枠ミッションをクリアする、もしくは黒幕ドン釈の正体を暴く

 ・30日経っても此処から脱出出来ない場合は、ゲームオーバーという事で永久監禁とする

 ・プレイヤーの中に黒幕サイドの人間と最終黒幕〝ドン釈〟が紛れている

 ・今後追加ルールは有り


 プレイヤーの数合計30人。ゲーム開始前の死亡者2人を含めると合計31人。

 黒幕サイドの人間は、キングドン釈・GMゲームマスターチュリぞう・殺人鬼キラースマートリー・監視者ルーレット・管理者スロット・プレイヤーの合計6名になる。その中でも、プレイヤーとして実際に参加しているのがキングとマスター、キラーと無名プレイヤーの計4名。監視者と管理者の2人は、プレイヤーとして参加はしていない。あくまでこのゲームをサポートして貰う役割を果たすために派遣された黒幕サイド。


 枠ミッションについての細かい詳細は以下の通り。

 ・ミッションはあくまで個人に与えられた脱出する上での選択肢に過ぎない

 ・ミッションを遂行するかしないかはプレイヤー個人の自由とする

 ・ミッションクリアと同時にミッション失敗した場合は失敗を優先する

 ・ミッションクリア条件が揃っていても、殺人時に目撃者が2名以上居た場合は無効とする


 次に枠ミッション以外での脱出方法

 ・黒幕ドン釈の正体が分かった者は【最終裁判】にかけて闘って貰う

 ・見事最終裁判に勝利した場合、プレイヤー全員が開放される 

 ・脱出ルートの入り口はプレイヤー全員の個室に紛れた部屋【エスケープルーム】より入る事が可能

 ・エスケープルームに入ると地下へと続くハシゴがあり、その先が脱出ルートになる

 ・脱出ルートには様々な仕掛けが用意されているのでご注意を


 ゲームオーバーになる条件

 ・30日経っても脱出出来なかった場合

 ・ミッションに失敗した場合

 ・脱出ルートで死亡した場合

 ・就寝時間の外出等、ルール違反を犯した場合


 ゲームオーバになった場合の罰を【バツシマス】と言う。バツシマスは多種ある。


 ※現在作成しているバツシマスは、15歳未満の方には刺激の強い内容が含まれています。本編でバツシマスシーンに突入したら、新規小説として作品【バツシマス】を投稿するか、オールカットにするか、詳しい説明やグロい内容を省いて罰を行うか(こちら本編で公開するか)ただいま検討中。


 3月31日、第三十八話を投稿時。バツシマス一覧を公開してしまいましたが、公開方法がきちんと決定するまで非公開にさせていただきます。


 以上。どのバツシマスを受けるかはプレイヤーが選択して良いルールになっているが、余りにも時間が掛かるようならゲームマスターが強制的に選択する場合もある


 ※ここで追加ルール

 プレイヤーは互いにパートナーを選ぶ事が義務付けられる

 ・パートナーに選ぶ相手の条件は特になし

 ・パートナーについての詳細は現時点では内緒

 ・現在言える事は、パートナーは死なせない方が有利だという事


 どのようにしてこの30人がプレイヤーが選抜されたのかは5日目に発表


『こんなところかなー。よーし、ではフレームデッドゲームの説明は以上だオ前ラ。えっとゲーム開始時刻は〝午前7時〟ぴったりだからなー。7時になったらアナウンスでお知らせするけど、うっかり寝てしまいましたーDVD観ていませんでしたーそんなの聞いてないー等と言った言い訳を聞くつもりはないんでよろしくねー★』


「午前7時だと!?」


 慌てて時刻を確認し直してみる。時刻は午前7時29分。


「29分……」

 しまった、うっかり寝てしまっていた。現在時刻は午前7時30分。ゲームが始まって30分も経過している……くそっ俺とした事が!


 急いでテレビから離れて玄関に駆け込もうとしたところで、部屋に落ちている〝煙弾〟を発見する。


「これは……あの野郎、これを仕掛けてこの部屋に睡眠薬を撒き散らしていたのか。つまり意図的に俺は眠らせた。撃たれたからじゃない。ん、待てよ……」


 ポケットに手を入れて枠ミッションが書かれたくじと、篠原から貰った大事なメッセージが入っているか確認してみる。


「無い……くっそ!」

 奴らが俺を眠らせたのは、俺がジョーカーである証拠になるくじと、ドン釈の目的をある程度知っている篠原が残したメッセージを回収する為か!


 フラつきながら玄関に向かって歩き出す。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

 畜生。みんなを止められなかった。既にゲームが始まっているって事は、今この瞬間に殺人が起きている可能性もある。くそ、どうすれば良い。


 自室入り口のドアに耳を当て、外の音を聞いてみる。


「駄目だ、防音装置が作動されてる」

 室内から設定する事は出来ないのか?


 ドアスコープで外の様子を確認する。見えるのは廊下。


「ん、このボタン」


 ドアの脇に設置された赤いボタンを押してみる。カチャッと音が聞こえる。どうやら個室ドアの鍵は内側から開け閉めが出来るらしい。昨日までこんな物は無かった。いや、鉄のカバーが取り付けられていた。ネジで固定されていたこのデッパリ部分には、初日から不振に思っていた。まさか部屋の鍵を開けるスイッチが隠されていたとは。


「俺が寝てるうちにネジを外したんだな」


 入り口ドアの鍵は解除されている。外に出るのは危険だろう。しかし、今はそれどころじゃない。他プレイヤーの状況を把握しなくては。それに……


「…………」

 一刻も早く篠原さんと六条さんの安否を確認しないと!


 恐る恐るドアを開けてみる。隙間から見える異質な雰囲気の廊下。雑に描かれた落書きが見える。廊下にはダレもいないようだ。ドアを全開にして、反対側を確認する。


「…………」

 ダレも居ない。それにしても静かだな。みんな部屋に閉じ篭っているのか?


 忍び足で廊下を歩く。足音一つ立てないようにして、篠原の個室がある廊下へ続く曲がり角に差し掛かった所で、ため息を一回。顔を出して篠原の個室がある廊下にダレか居ないか確かめてみる。


「ダレも居ないな」

 そうと分かれば早いところ篠原さんの安否を確認しなくては!


「痛いッ!」


 右肩の傷から痛みが走る。極力右肩に負担をかけないよう行動しなくてはならない。しかし此処で思わぬ収穫。


 右肩に目線を向けてから気付いた六条さんのネームプレートが貼られたドア。夏男が足を止める目の前にある。


「六条さん……」


 右肩を抑えながら恐る恐るインターフォンに左人差し指を近づける。


「無事であってくれ、頼む。頼む!」


 死のカウントダウンが3分間。六条が夏男の銃傷を見て、慌ててトイレットペーパーを取りに行った時間、約30秒。夏男の部屋から六条の部屋までの距離を時間に換算すると、全速力で走っても約1分。とても足が速いように思えない六条は果たして3分以内に自室へ辿り付けたのか。此処へ来る道中で血痕は見つかっていない。


 六条と篠原は無事なのか!?


 ※バツシマスについて

 本編に書かれたバツシマスの説明を新たに追加致しました。申し訳ありあせんが、バツシマス種類一覧は本編から消去しました。残酷な罰にする場合、年齢制限の問題で、バツシマスシーンのみをカットした作品【バツシマス】を別作で投稿致します。こちら本編にそのまま投稿出来る、グロさを追及しない罰もただいま作成中。現段階でどちらを世に発信するか迷っております。

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