夜の街を見下ろす丘に、天へと伸びる巨大な螺旋の塔がそびえていた。無数の窓が光を放ち、まるで星座を地上に描き出したかのよう。少女は赤いコートの裾を揺らしながら、きらめく塔を見上げて言う。
「この上には、まだ見たことのない物語が眠っているんだよ」
その声は夜風に溶け、無数の光と重なり合う。街の灯りと天の川が一つになるように、塔は果てしなく上空へ続いていた。僕はその光景に言葉を失いながらも、彼女の横顔を見て確信する。この旅はまだ始まったばかりだ、と。

第16話は「本屋と螺旋の塔」。
ページを開く日常と、果てへ続く幻想。どちらも物語に繋がる入り口でした。