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ガールズクロスライン 第11話(夜) 鏡の道と光の都
目を開けると、そこは星の降る都だった。
透き通るような塔が空へ伸び、桜のように光る樹々が並び立っている。水晶の道が月光を映し、街全体が輝いていた。
彼女は舞うように駆け出し、振り返って両手を広げる。
「見て! ここは光そのものが街を作ってるんだよ!」
声は澄んだ鈴の音のように響き渡り、星々と共鳴する。
「朝の水たまりみたいに、映したものが本物になる世界。だったら、わたしの笑顔だって……きっと、この街の一部になるでしょ?」
その言葉に導かれるように、僕も足を踏み出した。
境界線を越え、現実と幻想を重ねる彼女が、光の都の中心で笑っていた。
お読みいただきありがとうございます!
第11話は「水たまりに映る空」と「光の都」を対にして描きました。
次回もまた、新しい境界線でお会いしましょう。




