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ガールズクロスライン 第8話(夜) 海辺の駅と機構都市
次に目を開けたとき、そこは闇の底に沈む巨大な機構都市だった。
頭上には光の回路が星座のように広がり、無数の歯車がかすかに唸りを上げている。
彼女は堂々とその中心を見上げ、静かに言った。
「ここはね、世界の心臓部。止まれば全部が終わる。でも、わたしたちが見上げ続ける限り、動き続けるんだ」
機械仕掛けの空から降り注ぐ光が、彼女の背を縁取る。
朝の駅で見せた無邪気な笑顔と、この静謐な眼差し。
二つの姿が重なったとき、僕は確信した。
——どんな境界を越えても、彼女こそが世界を前へ進める鼓動なのだと。
お読みいただきありがとうございます!
今回は「海辺の駅」と「機構都市」を行き来する物語でした。
次回もまた、新しい舞台でお会いしましょう。




