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ガールズクロスライン 第6話(夜) ゴールと祝祭の空
目を開けた時、そこは見渡す限りの祝祭の都だった。
空には無数の気球が浮かび、色とりどりの旗と風船が大聖堂の尖塔を彩っている。鐘の音が鳴り響き、人々の歓声が石畳を揺らしていた。
彼女は大通りの屋根の上に立ち、満面の笑みで手を広げる。
「すごいでしょ? ここが今日のステージ。街も空も、みんなわたしたちの観客なんだ!」
金色の陽射しがドームを照らし、気球たちがまるで音楽に合わせるように舞い上がっていく。
「さっきのゴールみたいに、この空にシュートを決めるの。——絶対に届くから」
その瞳は、朝のグラウンドで光った閃光と同じ輝きを放っていた。
僕はただ頷くしかなかった。祝祭の空が、彼女の言葉に応えるように大きく脈打っていた。
お読みいただきありがとうございます!
今回は「サッカーグラウンド」と「祝祭の都の空」を行き来するお話でした。
次回もまた、新しい朝と夜でお会いしましょう。




