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皇国最期の反撃作戦  作者: パイン
日独冷戦
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神の剣

「敵艦隊まで200キロ。全機、攻撃態勢をとれ」


ドイツ空母から発艦した攻撃機のうち、5機は超低空で残る空母「赤城」を撃破しようと向かっていた。


そのステルス性能は早期警戒管制機の探知からも逃れていた。


ウエポンベイには新型の極超音速ミサイルが搭載されている。



ー空母 「赤城」艦橋ー


「哨戒ヘリが機影を探知!距離160キロ。本艦に向かってきます!!」


司令の顔がこわばる。


「総員対空戦闘用意!直掩機は出せるか?」


「だめです!すべて出払っています!」


「艦隊防空のみで防ぎきるぞ、クサナギシステム起動!」


敵機との距離が150を切った。


射程に入った極超音速ミサイルが「赤城」に迫る。


その影はまだ捉えられない。


ミサイルを全弾発射した敵機は艦隊から距離を取る。


「司令、敵機が撤退していきます」


おかしい。鈴木司令の不安は消えなかった。


「クサナギレーダーに反応は?」


「水上、水中ともに反応ありません」


敵機は撤退したのではない。攻撃を終えて離脱したのだ。


「艦首カメラを赤外線に切り替えろ」


中央のモニターに20℃前後を示す深い青色の海面が表示される。


「カメラにも反応ありません・・・いや、これは?」


青い洋上にポツンと高温を示すオレンジ色の点。それも一つではない。


「ミサイル全10基、向かってきます!」


「レーダーロックののち、迎撃せよ!」


「低空すぎてロックオン不能です!」


「CIWS、攻撃はじめ!」


音をはるか遠くに置いてきたミサイルがマッハ5の高速で「赤城」に迫る。


ブーーーーーーーーーーーーーー


艦首のCIWSから20ミリ弾が放たれる。


「『しまかぜ』、『むつ』、『みかさ』迎撃開始!」


外周の駆逐艦からも機関砲を撃ち始める。


「だめだ、速すぎる!」


「戦闘指揮官、チャフ発射用意!」


「用意よし!」


「チャフ発射!」


ドオオオン! ドオオオン!


「ミサイル2基、撃墜!」


赤外線カメラの映像が一瞬明滅する。


「残るは8基、逃がすな!」


「ある武装をすべて使って撃墜せよ!」


艦長の怒号が飛ぶ。


各艦は主砲、CIWS、重機関銃もすべて使用して迎撃を試みる。


しかし、ミサイルとの距離は縮まる一方だ。


「距離20キロ!」


「だめです!間に合わない!」


「総員、衝撃に備え!艦内非常閉鎖!!」


「赤城」には甲板から舷側にかけて全周200ミリの複合装甲に覆われている。


「司令、本艦を失えば、この海域の制海権、制空権は完全に失われます!」


「それどころか、中東の地上部隊も補給が断たれ、全滅します!!」


「なぁにこいつは空母よ。そう簡単には死にはしない」


ドオオオン!


「続いて1基撃墜!」


「距離3キロ!」


「ミサイル3基、迷走!チャフに食いついた!」


「残る4基、来ます!」


ドオオオオオオオオオオオオン!


「うわあああ!」


「被害状況知らせ!」


「艦首CIWS大破!飛行甲板に火災発生!穴は開いていません!」


「第三エレベーターで火災発生!消化急げ!」


「艦傾斜角0°!浸水なし!」


「機関異常なし、航行可能!」


武装やエレベーターに被害はあったが、軽微だった。


しかし、ドイツ軍はこれを「敵空母大破」と報告した。


空戦を終え、無事に早期警戒管制機を守り切ったF-22が全機着艦するころにはすっかり元に戻っていた。


制空権を完全に奪ったと考えたドイツ軍は直掩機を付けずに対地攻撃機を発進させた。


しかし、ほぼすべてがF-22に撃墜され、ドイツ軍は中東から撤退。


帝国海軍はこの局地戦での勝利を収めた。


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