戦艦と航空機
米軍艦艇は引き上げたが、戦闘は終わらなかった。
やつらが要請していた航空支援が今になってやってきた。
艦隊は「大和」と「武蔵」を中心とした輪形陣を組んだ。
外周の駆逐艦は電探の探知範囲を最大にし、来るべき脅威に備えていた。
また、「大和」でも「対空戦闘用意」が発令された。
ー大和 12番銃座 25mm3連装機銃ー
「対空戦闘用意!!」
「弾薬よし」 「右よし!」 「左よし!!」 「12番配置よーし!!」
小隊長が双眼鏡で上空を見つめている。
敵編隊は「大和」から40キロの距離に迫った。
「主砲 砲戦用意!三式弾装填せよ!」
艦長は対空用の三式弾での攻撃を開始した。
世界最大の砲塔が回転する。
18門の砲が獲物を狙う。
グワッ!!
18発の砲弾が飛んでいく。
敵編隊の目の前で炸裂し、中に入っている無数の火薬袋が大爆発した。
最初の一斉射撃で18機を撃墜。
しかし、生き残った機は散開して艦隊に殺到した。
中でも「武蔵」に対しては執拗な攻撃を行った。
爆撃機20機が急降下爆撃を敢行し、計12発の大型爆弾が直撃。
装甲こそ問題はないものの、艦上の機銃や高角砲が多数大破した。
また、装甲が薄い部分は戦闘機のロケット弾ですら脅威となった。
爆風よけがついているとはいえ、ロケットの直撃には耐えきれず20基以上の機銃が戦闘不能になった。
50発以上のロケットが命中し、艦上で多数の火災が発生した。
だが、幸か不幸か他の船にはほとんど損傷がなかった。
「武蔵」は応急処置を施し、艦隊とともに全速で空母艦隊を目指した。
だが、敵の第二波が到着した。
第二波は戦闘機と雷撃機の混成部隊だ。
だが、護衛機がいないことを知ってか戦闘機はみな小型爆弾かロケットを装備している。
足の速い戦闘機は先に「武蔵」に殺到。ほとんどすべての対空火器を攻撃し、その半数近くを大破させた。
「武蔵」の対空戦闘能力は半分以下になってしまった。
そして、敵雷撃機は最大3本の魚雷を搭載可能で、難敵となっていた。
低空で侵入するため、対空火器の良い的であるが、すり抜けた一機が魚雷を投下。
1本が艦首に直撃。小規模な浸水を引き起こした。
数分後、終わりの見えない戦いに希望が見えた。
本隊から向かっていた戦闘機隊がやっと到達した。
ロケットや爆弾を積んだ戦闘機の速度は遅く、次々に紫電の餌食になっていった。
敵機が苦戦している間に「大和」艦隊は戦域を離脱した。
「武蔵」中破 駆逐艦一隻小破 敵機23機撃墜。
このような戦果を挙げた「大和」艦隊は再びアメリカ本土を目指した。
いよいよ決戦です!!




