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In other word・・・  作者: トムトム
2章 歩いていこう ~Ich werde gehen.~
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今回は今までで一番短いと思います。申し訳ないです。

やっぱり今は学校に慣れる事を優先にした方がいいと思う。今日までは授業らしいものもなくて主に先生達の紹介と英語と数学のグループレッスンでの自己紹介だった。英語と数学は自分の座る席を決めた。数学は教卓の前。一人だけ外部生なので嫌ですなんて言える空気はなかった。英語は右隣にまなちゃんが、左隣には同じクラスの佐藤さんと……三組が纏まっている様な気がする。

「皆……好きな所にいていいのに……」

「佐倉さんに分からない所があったらすぐに聞けるから」

「期待しているよ」

皆が好き勝手に言うので、私は戸惑ってしまう。

「佐倉は皆に早く慣れろよ。多分、今年はほぼ同じグループになるだろうからな」

英語の先生は、私の事を心配してくれているのだろう。今日は主に授業の進み方がメインだ。本格的な授業は明日から始まるはずだ。

春休みの間に直君から貰ったノートや忠君の家で教えて貰いながら自分なりに予習はしてある。一番苦手な物理はゆうくんからコピーしたノートを見ながら勉強。感情に任せて処分しないで良かったと今は思う。捨てられないというのも、たまにはいい事もあるものだと自我自賛してもいいだろうか?

「ちいちゃん……やっぱり疲れたのかしら?ちいちゃん?」

「いろんな事が一気にあったので、ちょっとついていけていないみたいです」

自分のキャパシティーがそろそろ限界かもしれない。

「大丈夫。分からない時は私達が教えてあげるわ」

「ありがとうございます。私の場合は……多分物理と化学でしょうね」

「やっぱり文系希望なのか?」

直君に聞かれて、暫く私は考える。

「農学部に行きたかった時期はありましたけどね。私が使いたい条件には満たしていないので断念しました。今は早く働きたいので、専門学校でもいいんです。今の目標は六月の英検ですね」

「あらっ、頼もしいわね」

「早く……自立したいんです。一人で生きていきたくって」

「ちいちゃんの気持ちは分かるけれども……今は何処かに甘えるべき場所があってもいいと思うのよ。私は」

「千世さん」

私の言う事に千世さんが答える。もしかしたら……千世さんは私の事をある程度知っているのだろう。でもその事をあえて言わないでくれる優しさがとても嬉しい。久しぶりに感じる自分の居場所になんだかくすぐったくなるのだった。


「今週の写真部の活動部に見学に行くのか?」

「その予定ですけど」

直君に尋ねられて私は答える。今週の水曜日に説明会をしたいと入学した時のプリントには書いてあったはずだ。

「そうか、説明会を聞いたら生徒会室に来いよ。そうだな。生徒会室に荷物を置いて言ったらいい」

「それっていいんですか?」

「大丈夫。水曜日は僕が放課後はいるから。それにうちの生徒会室にやって来る人は基本的に限られているから大丈夫だよ。放課後に生徒会室に寄ってから写真部の部室だから……生物室にいけばいいよ」

「だってよ。勇也がいてよかったな」

「はい、それではよろしくお願いしますね。勇也君」

「化学と物理なら分からないところを教えてあげるよ。いつでも言って」

「すみません。何度も」

「いいさ。俺も復習になるんだから」

「じゃあ、私も教えてもらおうかな」

「まなは化学と物理は問題ないだろう?」

「ちいちゃんが聞いている時に聞いてもいいじゃない」

その後は、科目の先生の授業の進め方を教えて貰ったりしながら初めての放課後を生徒会室で過ごしていた。


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