I will graduate something? 何を卒業するんだろう? 15
「その通り、昼休みに、先生から話を聞いてね。文系に流れるわけがないの。私がレポートを提出したのは課題が出た翌日だから。今回の噂になっているのが、レポートをコピーさせてと言われた人に渡した作成の為の資料一式なんだもの。多少はオリジナルで書かないと、移した事が分かるじゃない?資料があらゆる方向に流れているのはいつもの事だから…。でもね、一部の人がそういう意味で他力本願でレポートを作成しているのに、ちゃんとやっている私が何でそう言われないとならないのかが問題なのよ。とも君、言いたい事は分かるでしょう?」
別に悪く言われるのは気にしていない。
そんな事を気にしていたらずっと生徒会役員なんてやっていられない。
「成程ね。拒否した人なんている?」
「拒否はないけど、コピーした人を探して…とは言ったかな。そこを逆恨みされても困るんだけどなぁ…」
「それは確かにその通り」
「翌日に提出したレポートというのは、普通は自力で作成したものだろ?」
「だと思うんだけども。さあ?私はクラブの同期で同じ教科書を使っている同期の学校がほぼ同じレポートが出たって聞いたから、使った資料を聞いて、自分で揃えただけなんだけどね。レポートのお題も同期の学校と同じじゃないから、参考にもならないし」
「そこまで話をして火消しをするのは…また違うな」
彼も噂の真相を全て話すわけには行かない事が分かったようだ。
「そうなの。話が大きくすぎるからね。好意で資料を教えてくれた人まで…私は巻き込めない」
「話を知っている人だったら、最初から相手にしないってことになるな。今回の噂」
「だから文系には流れていないんだよ。そのうち…なくなる。いつものように」
「部活で、噂を聞いた時にちいの噂を否定した人がいたぜ」
「バスケ部ね…険悪な人はいないけど凄く親しいって人もいないよ」
「井上先輩と中多先輩と田尻先輩は?どうなの?」
「成程ね。井上君は私のノートでテストを乗り切ってるようなものだし、田尻君は去年同じクラスだったから分かったのかな。中多君は…なんだろうね?」
「そういえば、ちいの学年って中多先輩の事を大ちゃんって呼ぶのはどうして?」
とも君は直接聞けない事は私に聞いてくる。
中多君は…付属中の出身で、私は隣のクラスだった。バスケ部の顧問でもある担任と偶々意気投合した私は、良く配布物をついでと言われて運ばされることがあった。その届け先が彼だった位だ。
「それは本当は良く分からないんだけど、アニメソングをノリノリで歌うらしいよ」
真意は定かではないが、一般的に知られている噂はそうだったはず。
「でも、ちいは大ちゃんって呼ばないね。どうして?」
「本人からは強要されてるけど…。余程仲良くないと私が名前で呼べないのは知っているでしょう?ともくん?」
「それは分かってるよ。今だと、生徒会と英語部位?」
「そうだね。中多君と私の間には認識の差があるってことで…いい?」
「でも、比較的に親しいよね」
「そうかな?だから、1年の時の延長で、ついでによろしくって使われてるだけよ。それに中多君委員長だから代表委員会であったりするしね」
「中多先輩らしい合理的なオチになるわけだ」
「そういうこと。私も彼見たく慣れたら楽だよね」
「ちいだって、クール&ドライって言われてるでしょ?」
「…本当は違うでしょ。皆、氷の女って言ってるでしょうが。もしくはアイスでしょ」
「ちい…そんな事は…うっ」
遠くから聞こえる足音に私はとっさに彼の口をふさぐ。
この時間に一体誰なんだろう。
私達は暗闇の中で身動きを止めて息を潜めた。
今日は短めでごめんなさい。




