表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不人気と言われようともデバッファーを極める ~攻撃スキルが無くても戦えます~  作者: 功刀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/99

策略

「ふむ。ここだと少し狭いな」

「そうね。街の目の前だしね」

「せや! だったら少し離れた所に移動しよか! 文句はないな?」

「いいわよ。広い方が戦いやすいもん」

「決まりや。付いてこい」


 2人は街からから離れるように移動し始めた。

 俺もその後についていくことにした。


 そしてある程度離れた所の木の側でバンバが立ち止まった。


「この辺でええやろ。ほな決闘モードにするで」

「いいわよ」


 2人はメニュー画面を操作して決闘モードになるための準備をし始めたようだ。

 しかし始めようかと思っていた時、バンバが待ったをかけた。


「ちょい待ち。準備をするから少し時間もらうで」

「? 何よ。今からやるんだから準備なんて必要ないじゃない。装備でも変えたいの?」

「いやそうやない。メンバーが揃ってから始めたいだけや」

「え? メンバー? 何のこと?」

「出てきてええで! こっちきいや!」


 そう叫んだ後、近くの茂みから2人の男が姿を現した。


「え? え? だ、誰?」

「ワイの仲間や。こいつらもPTメンバーに加えさせてもらうで」

「え……えええええええええ!?」


 おいおい。他にも仲間居たのかよ。


「またアホが釣れたようだな。悪く思うなよ。騙された方が悪いんだから」

「待ちくたびれたぞ。出番無いかと思ってたから安心したぜ」


 2人ともテレサを見ながらニヤニヤしながらバンバの元に近寄る。


「カンニンしてや。このアホ女が喚くから時間かかってしもうたんや。これで全員揃ったな」

「ちょ……ちょ、ちょっと待ってよ! そいつら何よ!? なんでいきなり知らない人が出てくるのよ!?」

「何って、ワイの仲間だと言うたやんけ。今から決闘モードを利用するんだから集まっただけや。問題ないやろ?」

「ま、待ってよ……! まさかそっちは3人なの!? 3人同時に相手になるわけ!?」

「そらそうや。ワイ1人で戦うとは一言も言ってへんで。元からこのメンバーでやるつもりだったで。何か文句でもあるんか?」


 さすがにテレサも驚きが隠せないようだ。

 まぁ確かにバンバ1人で相手するとは言ってなかったしな。後から追加されても問題はないんだが……


「そ、そんなのズルいわよ! こっちはあたし1人なのよ!? 急に増やすなんて卑怯よ!!」

「何を言う。決闘モードはPT単位で登録することが可能なんやから、このくらい想定できるやろ。文句があるならそっちも仲間を呼べばええやんけ」

「で、でも……急にそんなこと言われたって……」


 なるほどなぁ。バンバは最初からこうなることを想定して動いていたわけだ。

 そういえば決闘モードの提案してきたのもバンバからだった。そして相手が提案を了承したら、仲間が待機しているこの場所まで連れてくる。これがバンバのやり方なんだろうな。

 なんというか、詐欺師も色々考えるんだなぁ……


「はよせーや。こっちは貴重な時間を割いて相手してやるんや。誰も呼ばないならもう始めるで?」

「だ、だって……そんな急に来てくれる人なんて居ないよぉ……」


 いきなり対人に協力してくれるフレなんてほぼ居ないだろう。

 こうして急かすのも作戦の1つなんだろうな。


「ならこのままでええってことやな。ほないくで」

「う~…………あっ!」


 テレサが俺を見て叫ぶ。

 そして素早く近寄ってきた。

 嫌な予感……


「ガイっち! 今のやり取り聞いてたよね!? お願い! 一緒に戦ってくれない!?」

「お、俺? 待ってくれよ。俺はこのゲーム始めたばかりなんだぞ。役に立たないと思うぞ?」

「でも居ないよりマシよ! このままだとあたし1人でやることになっちゃう!」

「で、でもさ……」

「お願い……!」


 テレサが捨てられた子犬みたいな表情で懇願してくる。

 …………仕方ない。


「……分かったよ。協力するよ。でも期待するなよ?」

「!! あ、ありがとぉぉぉ!」

「お、おう……」


 表情の差が激しい人だな……

 さっきまで泣きそうな顔してのにすごく嬉しそうだ。


「ハハハハハハ! まさか新規の人に泣きつくとはな! 恥も外聞も無いんやな! 惨めやのぉ!」

「う、うるさい! 卑怯者に言われたくないわよ! とにかく始めるわよ!」

「まぁええわ。言っとくがワイは新規だろうが容赦しないで。恨むならそこのアホ女を恨むことやな」


 ニヤリと笑うバンバ。もう勝った気でいやがるな。

 そんなバンバを無視し、テレサが俺に顔を覗かせてきた。


「ごめんね……こんなことに巻き込んじゃって……」

「別にいいよ。俺も暇してたし。でも本当に役に立てるとか限らないからな?」

「うん。気にしなくてもいいよ。最悪負けてもいいから……」

「ならどうしてこんな決闘を受けたんだ? 勝ち目がないなら諦めたらよかったのに」

「せめてあいつに……あの詐欺師の顔をぶん殴りたかったのよ……!」


 そういうことか。せめて一矢報いたいと思ってたわけか。

 まぁ詐欺さられたまま終わるのも癪だろうしな。


「じゃあPT組むね。後は決闘モードを了承するかどうかの確認画面が出てくるから、それを選ぶだけでいいわ」

「あいよ」


 言われた通りテレサとPTを組むと、決闘モードの確認画面が表示された。


 ――――――――――――――――――――――――――

【決闘モード】

 パーティメンバーの テレサ さんが決闘モードを選択しました。

 決闘モードを了承しますか?

 ――――――――――――――――――――――――――


 もちろん『はい』を選択。

 これで準備完了だ。


「あとは賭けるアイテムを選ぶだけや。さっきの約束忘れてないよな?」

「20万G(ゴルド)でしょ。いいわよそれぐらいくれてやるわよ!」

「…………OKや。ならワイも選ぶで」


 するとベットアイテム一覧にラッキーダガーが表示された。


「……! やっぱり持っていたんじゃない! この嘘つき!!」

「フンッ。今度こそちゃーんと確認することやな」

「言われなくても……!」


 分かり切ってはいたけど、本当にすり替えていたんだな。

 一応俺も確認しておこう。


 ――――――――――――――――

【武器】ラッキーダガー

 ATK:50


 ・この武器で相手を倒した場合、レアアイテムのドロップ率が上昇する。


 制作者:アル

 ――――――――――――――――


 確かに本物のようだな。

 これならテレサが欲しがるのも納得だ。


「ほな始めよか」

「いいわよ」


 そして決闘モードの仕様に切り替わる。

 この状態だと登録したプレイヤー以外からの影響は受けなくなる仕様のようだ。


「言っとくが後悔しても遅いでぇ? 対人の怖さを教えたる!」


 不敵な笑みを浮かべるバンバがテレサを睨みつけた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ