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共和国での生活

そこまでだッ」

 突如横から体がバラバラになってしまいそうなほどの、強い衝撃を受ける。

 何とか踏ん張ろうと頑張ってはみたが、耐えきれるはずもなく地面に転がるはめになる。

「リズっ⁉ 」

 雷光を纏う魔法少女がそこにはいた。

 彼女はアリシアの味方であるはずなのに、どうしてか敵ではなくミオに攻撃を仕掛けてきた。

「……ッ」

 腕を背中の方に回す形で関節をきめられ、地面に押さえつけられた。そこから逃れようと必死にあがいてはみるものの、全くといっていいほどびくともしない。

 ミオと同じくらいの戦闘経験を持つサナをして、やばいのといわせるだけのことはある。

「アリシア、今のうちにそいつの傷の手当と拘束を頼む」

「え……うん、わかった」

 アリシアはてきぱきと敵の手当を始めた。ポケットからハンカチを取り出して、傷口に押し当て止血をする。

 少女はミオの鬼気迫るような剣戟をその身で受けたせいか、戦意を喪失してしまったようだ。アリシアから施される治療を、先ほどまでと人が変わったように、敬語でお礼を言いながら受けている。

 そしてアリシアは治療の片手間に、氷で手錠を作り出しすっかり大人しくなってしまった少女の手首にかけた。

「お前も魔力をしまえ」

 何とも釈然としないが、戦闘は終了したようである。

 その後、保護機構の職員と駆け付けた救急車によって少女は病院に搬送されていった。

 そしてミオはというと、リスによる拘束は解かれたが、今度はアリシアによって手をがっちりと掴まれている。掴む力が強すぎて痛みを感じるレベルである。

 ただ、ここで一つ問題が生じていた。

「あの、私はこの子の監視をしなくては行けなくて……」

 職員が今回の件に関する報告をアリシアが行わないといけないのだが、機密の問題でミオを連れていくことができない、らしい。だがアリシアとしてはミオと離れたくないようで、行くなら連れていきたいと主張している。

「あたしがそいつのことは見ておくから、さっさとすませてこい。報告に行ってる間はあたしが監視しといてやるから」

 あまりにもアリシアが職員を困らせていることを見かねて、リズは監視を変わると提案した。

 しかし、アリシアはさらに「だけど」と食い下がろうとする。

「今回のことはあたしは一部始終見てたわけじゃないから報告なんてできないぞ」

「う……くっ……」

 アリシアの考えはリズには筒抜けだったようで、先手を打たれついにぐうの音も出なくなった。

「それじゃあ……リズお願い。今日の用事は終わってるから……」

 そして渋々と言った様子で、ミオとつないでいた手を放し、職員の車に乗り込んでいった。

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