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レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる  作者: アカバコウヨウ
空と英雄の章

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第六百九話 空と最後の一撃

「そろそろ終わりにしよう、なにもかも」


 言って、空は視線を前へと向ける。

 そこでは、骸骨竜と無数の異世界人が戦いを繰り広げている。


 異世界人たち全員がレベル持ち。

 そして、全員が強力な装備を身に着けている。

 そのため。


(個々の力ではやっぱり骸骨竜に押されてるけど、全体的に見れば殆ど拮抗しているように見える)


 リーシャに精鋭を集めてもらったかいがある。

 きっと、集まった殆どはレベル3に達しているに違いない。


(特にアルハザードさんの存在が大きい。魔王のジョブが消失しているから、昔のジョブ――魔剣士に戻っているんだろうけど、その強さはやっぱり健在だ)


 これならば充分に時間が稼げる。

 かつて一度だけ使った最強の聖天魔法を使うことが出来る。


「リーシャ!」


「クウ様の御心のままに」


 と、言いながら空の手を強く握って来るリーシャ。

 同時、流れ込んで来るのはこれまで以上の力。


 確信がある。


 未来永劫。

 きっと空はこれ以上の魔法を放つことが出来ない。

 今から放つ魔法は、それほどの完成度で放つことが出来ると。


「…………」


 空はリーシャから流れ込む力に全神経を集中させる。

 そして、それを一か所に集めて行くイメージ。

 すると――。


 膨大な魔力をコントロールしている影響に違いない。

 空の周囲には光の粒子、そしてパチパチと電光が奔り始める。

 さらには、空とリーシャを中心に巻き起こる地響き。


 かつてこの聖天魔法を使った時。

 あの時とは比べ物にならない力の奔流。

 いける。


(これなら、絶対にあの怪人を倒すことが出来る)


 考えたのち、空は骸骨竜へと手を翳す。

 そして。


「聖天魔法 《アルトリウス》!」


 空の手から迸るのは、おびただしい光。

 それらは骸骨竜の上空を旋回し、大きな魔法陣を描いていく。

 やがてその魔法陣から、稲光とともに現れたのは――。


 美しい剣を持った巨人。

白銀の騎士甲冑を纏った、機械仕掛けの巨人だ。


「これで、今度こそ……」


 直後。

 空の視界にも映らない程の速度で動く巨人。

 次の瞬間。


 巨人は突如として骸骨竜の背後に出現。

 そのまま、巨人は骸骨竜だけを刺し貫く。


「僕達の勝ちだ」


 そんな空の言葉。

 それに応える様に巨人は、骸骨竜を串刺しにしたままの剣を天へとかかげる。

 もちろん、ただ掲げて終わるはずがない。


 徐々に巨人の剣が発光し始めたのだ。

 まるで光の剣をかかげているかのように。


 きっと、その光の剣は余程の熱を持っているに違いない。

 骸骨竜は凄まじい絶叫をしながら、暴れはじめる。


 見れば、骸骨竜が手足の先からどんどん崩れていっているのが見て取れる。

 けれど、巨人は止まらない。


 剣はどんどんその光を増していく。

 そして、いよいよ目視不可能なほどの光を宿した――。

 その時。


 光の剣から放たれたのは、光の波動。

 敵のみを打ち砕くに違いない暖かな光の爆炎。


 …………。

 ………………。

 ……………………。


 そうしてしばらく。

 眩んだ目がようやくもとに戻った頃。

 周囲に静寂が戻った頃。


 空はゆっくり目をあける。

 するとそこに居たのは――。


 己の役目を終えたに違いない。

 細かな粒子となって消え行く巨人。


 怪人の姿は見えない。

 というより、先ほどまで感じていた禍々しい気配そのものを感じない。

 すなわち。


「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


「勝利だ! 我々の勝利だぁぁああああああああああああああああああ!」


 と、次々に上がり始める異世界人たちの声。

 彼等は自分達の世界のことじゃないのに、こんなにも喜んでくれているのだ。


 本当に幸せすぎる。

 空がそんなことを考えたその時。


「く、クウ様!?」


 聞こえてくるリーシャの声。

 同時、ぐわんと歪む空の視界。


(力を使い過ぎた……かな。だめだ、意識が、もう――)


 ゆっくりと倒れる空。

 彼が最後に感じたのは、柔らかく暖かい少女の温もりだった。


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