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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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広がる畑、重なる兆し

畑を歩いていて、ふと足が止まった。


……ん?


視線の先に広がる畝を、もう一度見渡す。


こんなに……あったか?


じゃじゃ芋の畑だ。

しかも、一面と言っていいほど広がっている。


「……増えすぎじゃないか?」


去年と比べて、明らかに様子が違う。

一角どころではない。

かなりの面積が、じゃじゃ芋に割かれていた。


ということは……


頭に浮かぶのは、一つの答え。


「酒、か」


じゃじゃ芋酒の売れ行きは、正直、把握しきれていない。

発酵場は増築され、樽も増えていた。

だが、ここまで作付けが増えているとなると――


相当、売れてるな


それなら、それで構わない。


金は、無いよりあった方がいい。

それに、酒は保存が利く。

現金化もしやすい。


周囲を見渡せば、他にも変化はあった。


鍬や鋤の柄が新しい。

車輪も、以前より軋みが少ない。

農具の更新が、確実に進んでいる。


さらに――


牛と馬も、増えてるな。以前より、畜舎が賑やかだ。牛は耕作に。馬は運搬に。


労力が増えれば、作業効率も上がる。

作付け面積が増えるのも、当然だ。


……揃いすぎてる。


一つ一つは、良い兆しだ。

だが、全部が同時に進んでいる。


それはつまり――やっぱり、今年は……


大豊作。


その予感は、もはや予感ではなく、現実味を帯び始めていた。


となると……


脳裏に浮かぶのは、乾燥パスタの加工場だ。


今の規模でも、去年よりは余裕がある。

だが、大豊作を吸収し切れるかと言われると――怪しい。


少なくとも、もう一段階。倍まではいかなくても、あと一段、受け皿を広げておく必要がある。


「……進言、してみるか」


父が数字を見てから動くタイプなのは、分かっている。

だが今回は、数字が出てからでは遅い。


畑をもう一度見渡し、エドワルドは小さく息を吐いた。


準備は、まだ間に合う。

問題は、どこまで先を読んで動くか――それだけだ。


春の風が、じゃじゃ芋の葉を揺らしていた。

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