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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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思っていた魚ではないが

翌朝、エドワルドは少し早めに屋敷を出た。


昨夜は、川の音が妙に頭から離れなかった。

流れ。仕掛け。そして――魚がいるかどうか。


……まあ、期待しすぎるな


そう自分に言い聞かせながらも、足取りは自然と早くなる。

川に近づくにつれ、水音がはっきりと聞こえてきた。昨日設置した場所が視界に入る。


そして――


「……お?」


梁漁の仕掛けの内側で、何かが跳ねた。


ぴちっ。ぴちぴちっ。


「……え?」


一歩、近づく。


「おー……!」


思わず、声が漏れた。


数匹の小魚が、仕掛けの中で跳ね回っている。逃げ場を探すように、水面を叩いていた。


……捕れてる


設置しただけだ。何もしていない。


「……本当に捕れるんだな」


しばらく、呆然と眺めてから、ようやく現実を受け止める。


……だが目を凝らす。


「……小さいな?」


絵に描かれていた魚――記録にあった“鮭”とは、どう見ても似ても似つかない。


体は細く、色も違う。迫力もない。


「……これが、鮭?」


首を傾げる。いや、違うな。それは直感で分かった。多分、別の魚だ


だが――


「……まあ、いいか」


自分で、そう結論づけた。捕れた。それが事実だ。設置するだけで魚が捕れる

その意味は大きい。魚の種類は後回しだ。

今はまず、「捕れる」こと自体が重要だ。


仕掛けを一部外し、魚を取り上げる。

思ったより、簡単だった。

数は……今日はこれぐらいか

全部で、五匹ほど。


「……十分だな」


せっかく獲れたのだ。捨てる理由はない。


「焼いてみるか」


屋敷へ戻る途中、厨房を借りて簡単に処理する。下処理は、狩人から教わった方法を思い出しながら。

火にかける。

じゅ、と脂が弾いた。


「……いい匂いだな」


塩は無い。だが、腹は減っている。


一口、かじる。


「……美味いな」


素朴だが、悪くない。川魚特有の癖も、思ったほど強くない。


「……塩、持ってくればよかった」


そう呟き、苦笑する。だが……

これは、使える。


保存方法を考えれば、干物にもできる。

量が増えれば、加工も可能だ。


何より……


「……毎日、見に来る価値はあるな」


梁漁は、仕掛けだ。放っておいても働く。

人手が少なくても、回る。

それは、この領地にとって重要な条件だった。


エドワルドは川を振り返った。


水は、昨日と同じように流れている。


だが――その流れの中に、確かに“新しい選択肢”が生まれていた。


「……さて」


明日は、もう少し大きな籠を持ってこよう。

塩も、忘れずに。

小さな成功を噛み締めながら、エドワルドは静かに歩き出した。

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