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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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並んで立つ背中

募集をかけて、まさかと思っていたが――

応募は二人、来た。


(上々だ)


エドワルドは、内心でそう頷いた。


一人来れば御の字、と思っていたところに二人。

これだけで、時間の使い方は大きく変わる。


「これで……だいぶ楽になるな」


独り言のように呟きながら、今日もいつも通りの作業に向かう。



最初から、特別扱いはしなかった。


「じゃあ、まずは俺のやってることを見てください」


そう言って、エドワルドは畑へ向かう。


硬豆の様子を確認し、枯れ具合を見て収穫の判断。

肥料の状態を確かめ、足りない場所に少し足す。

水路を見て、流れが弱くなっている所を見つけて土を除く。


次は家畜だ。


セキシャク鳥の囲いを見回し、巣の中を確認。

小雛の様子、親鳥の動き、餌の減り具合。


豚の様子も同じだ。

落ち着いているか、食いはどうか、怪我はないか。


ただ、それだけのこと。


――いつも通り。



だが。


背後からの視線は、はっきりと感じていた。


振り返らなくても分かる。

二人とも、畑の端に立ったまま、じっと見ている。


「……」


驚いているのが、空気で伝わってくる。


作業の合間、思い切ったように一人が口を開いた。


「……あの?これ全部……エドワルド様が?」


「はい」


即答だった。


「いつも、こんな感じです」


二人は顔を見合わせた。


「畑だけじゃなくて?鳥も、豚も、水路も……」


「貴族の……子供が……?」


言葉が途中で止まる。


戸惑い。

困惑。

そして、理解が追いついていない顔。


(そりゃそうだよな)


エドワルドは内心で苦笑した。


普通なら、ありえない。

見回るだけならまだしも、手を動かし、汚れ、考え、試す。


それを――

「当たり前」みたいな顔でやっている。



「最初は、見てるだけでいいです」


エドワルドは、手を止めずに言った。


「そのうち、同じことをやってもらいます。出来ない所は、出来ないって言ってください」


二人は、少し遅れて頷いた。


「……正直。こんなに色々やってるとは思ってませんでした」


「俺も、最初は一人で回るつもりじゃなかったんです」


ぽつりと、本音が漏れる。


「でも、やってみたら止まらなくなって。気づいたら、全部やってました」


二人は、少しだけ笑った。



日が傾く頃。


作業を終え、畑の端で一息つく。


エドワルドは、二人を見て言った。


「明日からは、少しずつ分けます。同じことを、同じ目線で」


「はい」


返事は、揃っていた。


(……大丈夫そうだな)


すぐに完璧とはいかない。

失敗もするだろう。


それでも――

一人で背負うより、ずっといい。


エドワルドは、畑に並ぶ三つの影を見下ろした。


並んで立つ背中。


それは、少しだけ未来が軽くなった証だった。

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