表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/152

机上と森のあいだ

「……頭でっかち、か」


エドワルドは自室の椅子に深く腰掛け、天井を見上げた。


書庫で考え、数字で測り、先を読んで動く。

それ自体は間違っていない。


だが――

経験が伴わなければ、ただの空回りだ。


(ベリーが森にあるなんて……)


知識としては、どこかで読んだ気もする。

だが「見たことがない」という一点で、完全に切り離してしまっていた。


「はぁ……」


小さく、ため息が漏れる。


父に相談しても、恐らく同じだろう。

貴族として育てられ、森に入る理由がなかった。


兄も、同様だ。


(つまり……誰も知らない)


いや、正確には――

知らないのは、屋敷の中だけだ。


「……参ったな」


エドワルドは、椅子から立ち上がった。


書庫に答えはない。

商人にも限界がある。


ならば。


「聞くしかない、か」


農家。

狩人。

森に近い村の者。

子供たちですら、貴重な情報源だ。


(ベリー以外にも、何かあるはずだ)


食べられる実。

保存できる物。

薬になる草。

家畜の餌になる葉。


今まで、見えていなかっただけで――

森は、資源の塊かもしれない。


「……よし」


エドワルドは、軽く頬を叩いた。


失敗したなら、修正すればいい。

見落としたなら、拾い直せばいい。


机の上だけで領地は守れない。


「聞きまくるぞ」


そう呟いた声は、小さいが確かだった。


未来を知っているからこそ。

今、知らない事を知る必要がある。


エドワルドは、屋敷を出る準備を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ