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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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春の手応え

完全に春の気候になって来た。

日によっては暑いくらいだ。

確かに天候は良い。雨も適度に降っている。


畑の方は、どこを見てもすくすくと育っている。芽吹きの勢いが違う。

今年は最初から、何かが噛み合っている気がする。


川の方は、例の男に任せてある。

罠を仕掛け、魚を捕るやり方も板について来たようだ。

水温が上がって来たせいか、成果はまずまず。いや、正直に言えば想像以上だ。


さらに罠を増やしてもらった。

たったそれだけで、成果は目に見えて変わる。処理も運搬も早くなり、無駄が減った。


今では市場にも魚を下ろせるようになっている。畑だけでなく、川からも収穫がある。

食料としても、金としても、確実に積み上がっていく。


春は、始まったばかりだ。

だが、この領地はもう、動き出している。



蕪も成長が早く、すでに収穫出来ている。

本当に手が掛からない。

蒔いて、水さえやっていれば形になる。これは助かる。


農家の人に話を聞くと


「これなら育てられる」


そう言って、種を取って次に繋げるつもりらしい。

自分達の判断で広がっていくなら、それが一番だ。


それに不断草。

葉だけを切り取っても、数日すればまた新しい葉が出て来る。

根を残しておけば何度も使える。

手間は少なく、確実に食料になる。


派手さは無い。

だが、こういう作物があるかどうかで、暮らしの安定は大きく変わる。


畑は、確実に応えてくれている。



うーむ。一つ予想外な事が起きている。

ベリーが、まるで狂った様に伸びているのだ。


枝は勢いよく広がり、葉は青々と大きい。

そして何より、白い花をこれでもかと言うほど付けている。


正直に言えば、最初はそこまで期待していなかった。

腹が膨れる訳でも無いし、主食になる物でも無い。

森から移して来ただけで、金も手間もほとんど掛かっていない。

取れたら取れたで、ちょっとした足しになればいい。その程度の認識だった。


だが、この花の数は何だ?

嫌な予感では無い。むしろ逆だ。


花が多いという事は、その分だけ実を付ける可能性が高い。

もし、これが全部実になるとしたら……。


ベリーは乾燥保存も効く。

加工すれば価値も上がる。

甘味は貴重だ。


腹は膨れない。

だが、領を支える力になる可能性は十分にある。


どうやら、また一つ。

畑は、こちらの想定を軽く超えて来たらしい。


ん!?待てよ。

これだけ成長するなら、来年に向けて畑を広げておくべきじゃないか?


ベリーは挿し木が効く。

枝を切って水につけておけば、すぐに根が出る。土に植え替えれば、あとは勝手に育つ。


……元手、ほぼゼロだな。


森から持って来た時点で金は掛かっていない。

肥料も特別な物は要らず、場所さえ確保すれば増やし放題だ。


これだけ育つ環境だと分かった以上、手を打たない理由は無い。

来年を待ってから考えるより、今の内に仕込んでおく方が良い。


そうするか!


花が終わる前に、元気な枝を選んで切る。

水に浸け、根を出させ、順次畑を広げる。


また一つ。

畑は、勝手に増えていく事になりそうだ。

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