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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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見せる畑、試す土

うむ……何とか、やり切ったな。


鍬を地面に突き立て、エドワルドは一息ついた。正直なところ、かなりきつかった。

この面積、この土質、しかも素人の開墾。

農家が見れば、間違いなく笑われる出来だろう。


……いや、たぶん確実に笑われるな。


耕し方は浅く、畝も歪だ。

石の除け方も甘く、土の細かさも均一とは言い難い。本職の仕事と比べれば、話にもならない段階だ。


だが――それでいい。


今回は「理想的な畑」を作るのが目的ではない。むしろ逆だ。


これほど雑で、最低限の手間しかかけていない土地で、どこまで作物が応えてくれるか。

それを見るための実験だ。


この程度の開墾で?って結果が出れば……


それは、それで大きな意味を持つ。

本職でなくても、土地に余裕がなくても、

「やりようはある」という証明になる。


そして何より――


ここは、大通りに面している。


行き交う商人、農家、職人。

嫌でも視界に入る場所だ。

しかも、開墾しているのは領主の息子。


理由も目的も知らずとも、「何かやっている」という事実だけは、確実に目に焼き付く。


(結果が出れば、勝手に話題になる。


聞かれれば答えればいい。

聞かれなくとも、育てば分かる。


エドワルドは畑を見渡した。肥料なしの区画。通常通り手を入れた区画。そして脇に蒔いた蕪。


どれも、まだ土の段階だ。だが、この土の上で何が起きるかは、これからだ。


さあ……植物は、どう応えてくれる?


土に任せるには、十分すぎるほどの準備はした。あとは、待つだけだ。


結果は、必ずここに現れる。


ふぅ……。


畑から戻り、エドワルドは椅子に深く腰を下ろした。

身体の疲れとは別に、頭の片隅に引っ掛かっているものがある。


……ブレ、か。


作物そのものの育て方は、少しずつ形になってきた。乾燥パスタの加工場も、増築を進めればかなりの量を処理できる見込みだ。

収穫量が多少前後しても、加工で吸収できる余地はある。


だが――それだけでは足りない。


問題は、その前段階。収穫から加工までの「間」だ。


天候一つで収穫時期はズレる。

村ごとに出来不出来も違う。

一斉に集まれば処理が追いつかず、遅れれば今度は品質が落ちる。


ここをどう吸収するか……


一つの大きな加工場だけに頼るのは、やはり危うい。ならば、もう一段階、緩衝地帯を作るべきだ。


各村々の倉庫――

今あるものの改修、あるいは新築。


乾燥や簡易保管ができるだけでも、状況は大きく変わる。

収穫した作物をすぐに動かさなくてもいい。

一時的に溜めて、流れを調整できる。


農家にとっても悪くない話だな。


自分たちの村で保管できれば、慌てて売る必要も、無理に運ぶ必要も減る。

結果として、損も減る。


もちろん、建物の手配や費用、管理の問題は出てくる。だが、それは話し合い次第だ。


提案する価値は、十分ある。


エドワルドは静かに息を吐いた。

畑だけを見ていては、流れは整わない。

作るところから、保管し、運び、加工するところまで。


全部が繋がって、初めて安定する。


「……次は、倉庫か」


畑での実験と並行して、次の一手も、もう動き始めていた。

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