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第25話 紅白戦と懸賞品

「それにしても午後の紅白戦……大丈夫なのか?あのサラがセカンドを守るんだぞ……アイツの野球のレベルはあの『野球をしないために産まれた男』である菰田に毛が生えたようなものだ。日野、本当に自信があるのか?」


 これ以上卑猥な話をされるのは耐えられないというようにカウラは話題を午後の紅白戦の話に持って行った。


 誠は遠くで二人っきりで大笑いをしながら仲良く弁当を食べている島田とサラの『バカップル』を見つめて大きくため息をついた。


 サラの守備がザル以下なのは後期リーグで投げるたびに思っていたことだった。セカンド方向に飛んだ打球はほぼヒットだと投げる誠は判断していた。ただ、そのことはショートを守るカウラも十分知っていたので守備範囲の広いカウラは打球が右方向に飛ぶと常にサラの後方へと走り出す奇妙な光景が繰り広げられていた。


「問題ないな。誠君のフォークが解禁になった今、うちのチームで誠君を打ち崩せる打者が居るのかな?確かに一本は打てるかもしれない。でも連打は……たぶん無理だろうね。それにこのリーグでの使用球は軟球だ。お姉さまが買った最新鋭の樹脂バットは去年の物より5%飛距離が出るというが、あそこのメーカーは毎年その売り文句で同じように新製品を出している。そんなに毎年飛距離が伸びていったら誰でもホームランが打てることになる……でも実際は違う。ベルガー大尉。正直、誠君と僕のバッテリーから点を取ろうと思ったらホームランを打つしかない。当然僕は撃たせないような配球をするし、誠君の思い球質ではそもそも普通にホームランを打つこと自体が難しい……違うかな?」


 自信ありげなかえでの言葉にカウラはそのまま黙り込んだ。


「かえでちゃん、随分自信ありげじゃないの。それは私に対する挑戦と受け取ってもいいわけね?良いでしょう。受けましょう。じゃあ、誠ちゃんからホームランを打った女子は誠ちゃんの童貞を奪って良いというのはどうかしら?我ながら良い景品ね」


 アメリアはさもナイスアイディアと言うようにそう言った。アメリアの思い付きでいつもひどい目に遭っている誠は激しく首を横に振った。


「なんだ、その程度か……良いんじゃないのかな?誠君、君も本気で投げてくれたまえよ。そうしないと君は僕との最高の童貞喪失の機会を失ってしまうんだ。最高の快楽と最高に淫らにあえぎ叫ぶ僕を楽しむ機会をみすみす失うなんて愚かな男のすることだよ」


 かえでもまた自信ありげにそう言って誠の耳に息を吹きかけてきた。


『やっぱり僕はうちの隊の女子の『アダルトグッズ』扱いなんだ……早く人間になりたい……』


 かえでとアメリアの滅茶苦茶な提案に誠は深いため息をついた。

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