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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 不死人と謎の教団  作者: 橋本 直
第六章 意地になるかなめと鉄壁の守備陣
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第20話 アメリア、四番の意地を見せる

「それじゃあ行くからな!」


 かなめはそう言うとマシンを起動させた。


 長いコードを手に持つ西がその様子をかたずをのんで見守っている。


 マシンは球を投球部分に吸い込むと静かにうなりを上げた。アメリアはそれに合わせて高く掲げたバットを握る手に力を込める。


 一瞬轟音が響き剛速球がマシンから放たれた。


 アメリアはバットをまるで振る気が無いというように黙って見逃がした。

 

「なんだ?ビビッて手も足も出なかったのか?初球はオメエの大好きな高めのストレートを投げてやったのに……そんなんじゃノルマ達成なんかとても無理だな」


 マウンド上でかなめはサングラス越しに打席のアメリアを嘲笑していた。


「まずは、どのくらいの球速の球が来るかなあとか思ってたのよ。じゃあ、次はどんな球が来るのかしら?楽しみよねえ……」


 軽く二度ほど素振りをしてアメリアは余裕の表情で再びマウンドのかなめを笑顔を向ける。それを舐められたと感じたかなめは不機嫌そうな顔をすると二球目のスイッチを押した。


 今度は前回の球より緩い球が発射された。高めの変化球はボールゾーンからストライクゾーンへと大きく落ちながら変化した。


 アメリアはまるで読んでいたかのようにこれを振りぬいて低い打球をセンター返しで撃ち返した。


「ざっとこんなものよ……次は何?カーブ?シュート?良いわよなんでも来なさいよ」


 完全にヒット性のあたりを打ったことで調子に乗るアメリアにマウンド上のかなめの形相はサングラス越しにでも分かるほどに怒りに歪んでいた。


「今のはオメエにもたまにはいい思いをさせてやろうと思っただけだ!次はそうはいかねえからな!」


 かなめは三球目を投じた。


 今度はインコースギリギリの速球。しかし、その球はまるでアメリアを狙うかのように右バッターの懐深くに変化して食い込んでいく。


 これは打てない。誠はそう思ったが、アメリアはまるで表情を崩さない。


 腕を畳んで球を呼び込むと右方向にこれも鋭い打球を確実に飛ばしてみせる。


「あんなところに投げてもアメリアさんは打つのか……あの人の弱点とかあるのかな……分かります?パーラさん」


 どう考えても普通の打者ならそのままデッドボールかと思ってのけぞって手が出ないような球を簡単にライト線ギリギリの長だコースになりそうなところに運ぶアメリアの技術に感心しながら誠は隣で退屈そうにグラウンドの土を手で掘っていたパーラに尋ねた。


「アメリアはインコースは得意なのよ。しかも、あの腕の長さだから外角もストライクゾーンに来たらほぼ対応できる……まあ、試合だとやる気のムラがあるからどう考えても高めの釣り球にしか見えないのに手を出したり、ど真ん中の甘いストレートを見逃したりするけどね。練習でかなめちゃんに勝負を挑まれてるこの状況じゃあそんなこともしないでしょ」


 完全に守備練習での滅茶苦茶なかなめの要求に応えられなかったことに精神をやられているパーラは投げやりにそう言って相変わらずグラウンドの土を手で掘り返していた。

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