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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 不死人と謎の教団  作者: 橋本 直
第六章 意地になるかなめと鉄壁の守備陣
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第18話 『女王様』による超ハードモードの守備練習

 それからもかなめの非情なノックは続いた。


 捕りやすい打球など一つもない。すべてが守備範囲のギリギリか明らかにヒット性の強い打球ばかり。特に目の敵にしているアメリアに対しては厳しい打球を次々と打ち込んだ。


 アメリアはその多くに瞬時に反応しては相変わらずのアバウトな送球を嵯峨に投げる。


 しかし、嵯峨は身体を伸ばしてそのすべてを捕球する。


 これにはたまにどう見ても実際の投球後なら強襲ヒットになること間違いなしの打球を打ち込んでくるのにうんざりしていた誠も感心させられた。


 二遊間を守るカウラとリンもかなめの良いターゲットだった。


 どちらが捕るか微妙なコースに打球を飛ばすかなめにカウラとリンはまるで長年二遊間を守ってきたコンビ化のように絶妙な判断でそれぞれに捕球し、これは実に正確な送球をファーストを守る嵯峨に送った。


 肝心の嵯峨はというと誠が見ても意外と思えるほど素早い反応で打球を負うこともあるし、アメリアやぼてぼてのゴロに慌てて投げた誠の逸れた送球も見事にキャッチした。


 問題は外野だった。


 元々、足が速くライトやレフトがあてにならないので走りながら捕るのが当たり前の島田はエラーどころかどう考えても頭上を抜けるような大飛球やカウラでも手が届かないようなポップフライも簡単に処理して見せた。


 一方のライトのアンは野球に慣れていないことはよくわかるほどにかなめがライトに向けて打球を飛ばした瞬間の出足が遅く、持ち前の俊足を生かしきれずに落下点までたどり着くことが出来ずに悔しがっているのが誠からもよく見えた。


 レフトのパーラはもっと悲惨だった。


 パーラは監督であるかなめの気まぐれで内外野どこの守備もさせられていると誠にこぼしていたように打球への反応は早いが、パーラに飛ばすかなめの打球はどれもどう考えてもヒットになるのが当たり前というようなものばかりだった。


『西園寺さんはパーラさんがツイてないから使わないって言うけど……ただ単に真面目で相性が合わないパーラさんに嫌がらせをしたいだけなんじゃないのか』


 誠はフェンスギリギリの大飛球を俊足を飛ばして追いついたもののグラブに当てるのが精いっぱいでクッションボールの処理をしているパーラを見ながらそんなことを考えていた。


「パーラ!オメエは本当についてないな!そんな事じゃあ、狭い球場でのファーストも任せらんねえぞ!」


 かなめの無茶な言葉に誠は思わず苦笑した。


「大体、お姉さまの打球はほとんどが普通ならヒットになる打球ばかりだ。難しい打球を処理するのも大事だけど、基本に忠実に確実な打球処理の練習をする必要もあるんじゃないのかな?」


 自分には春の強い風がある中、半分は尋常でない高さのキャッチャーフライを打ち上げるだけで少々不満が溜まっていたかえでがそう言ってかなめを窘めた。


「なんだよ、言うじゃねえか。オメエが神前を快楽の道具として使えるように守備を鍛えてやってるんだぜ……少しは感謝したらどうなんだ……まあ、守備練習はこれくらいにするか……それじゃあ、菰田!マシンを用意しろ!補欠連中!菰田を手伝え!」


 かなめは一時間続けたノックに飽きたらしくそう言うとただぼんやりとショートを守る菰田にとっては神にも等しいカウラの華麗な守備に見とれていたマネージャーの菰田に向けてそう叫んだ。

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