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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 不死人と謎の教団  作者: 橋本 直
第六章 意地になるかなめと鉄壁の守備陣
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第17話 ひねくれたかなめらしいノック開始

「じゃあいくぞ!」


 サングラスをしたまま手にバットを持ったかなめはノックを始めることを宣言した。


 誠は緊張の面持ちでかなめの挙動を伺っていた。


 しかし、そのかなめの初めの行動は誠の意表をつくものだった。


 かなめは普通にノックをするように見せかけていきなりバットを寝かせて死んだ打球を誠の前に転がした。


 いきなりのバント。誠はまったく反応できずに棒立ちだった。


 一方、キャッチャの位置から瞬時に飛び出したかえではすぐにその止まりかけた球を掴むとすぐに一塁に送球した。


 鋭い一直線の送球が嵯峨がただ面倒くさいというように構えているファーストミットに収まる。


「お姉さま……普通はこんなノックはやりませんよ。それとも何ですか?そんなに僕が優秀なのが気に入らないんですか?」


 かえでは一言そう嫌味を言って外したマスクをするとキャッチャーの位置に戻る。


 一方、かなめはあまりに見事なかえでのバント処理に呆然としていたがその視線はすぐに何もできずにいた誠に向った。


「おい!神前!オメエは今回一切反応できなかったぞ!オメエはいきなり敵がセフティーバントをしてきたらどうするつもりだ?次の相手の『菱川重工業豊川』の一、二番や下位打線はこんくらいの小細工はして来るぞ!ちゃんと相手が何をしてくるかぐらい考えて守れ!ピッチャーは投げるのだけが仕事じゃねえんだ!守れないピッチャーはうちにはいらねえ!」


「そんなこと言ったってノックの最初に何時も無茶振りするのはかなめちゃんのお約束じゃないの。それにセフティーバントなら誠ちゃんが振りかぶった瞬間にはバントの構えをするから私や隊長だってそれを見て前進するわよ。そうしたらファーストのベースカバーに入るのが誠ちゃんの仕事。こんなの練習でもノックでも無くてただのかなめちゃんの気まぐれじゃないの……つきあってらんないわ」


 かなめの罵声にアメリアがいつものように腕組みをしながら右バッターボックスで怒り狂うかなめに冷たい視線を送る。


「うるせえ、アメリア……オメエはさっき自分のエラーが多いのは難しい打球に挑戦するからだと言ったな……オメエには特別難しい打球を飛ぶように打つから覚えとけよ……」


 完全にキレたかなめはサングラス越しにいつもの糸目に余裕の笑みを浮かべているアメリアをにらみつけた。


「ちゃっちゃとやってよ。俺本当に久しぶりなんだからさ。さっきのかえでの送球みたいにきっちりなんもせずにただミットを出すだけみたいな簡単な送球ばかりだと嬉しいな」


 まるで他人事のようにファーストベース前でそれなりに守る格好をしながら嵯峨はそんなことをつぶやいた。

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