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E/O  作者: たま。
oβ・クラン
74/94

第65話・アキラ無双Ⅱ

大分、遅くなってすみません。

戦場4の後最終幻想14やってました。


14/02/06……本文、技説明文の一部分を追加修正

『グァオオオオオォォォォォ』


 ウンターガングが威嚇の為の咆哮を上げる。

 これを機に戦闘開始となる。


「アキラ」

「k」


 クロイツの一声で何をやろうとしているのか察した俺は、抜刀術の構えをとる。

 俺の前まで来たクロイツは軽くジャンプする。

 それとほぼ同時に俺は鞘ごと『嵐山』を振り、クロイツの足場としカタパルトの要領で思いっきり振り切る。

『嵐山』により上空へ上がったクロイツは、ウンターガングを頭上で両手のショットガンを構え眉間に向かって連射する。

 近距離のショットガンは、如何に物理防御の高いドラゴンであろうと唯では済まない。

 現在、クロイツの使っている二挺のショットガンは、プレイヤー生産の特別な武器で、双頭の水平二連ショットガンだ。

 即ち、ドラゴンは頭部に合計八発の散弾を集中的に喰らった事になる。

 とは言え、頭部の皮膚を抉る事に成功した様だが、頭蓋骨を破壊する所までいかなかった。

 しかし、散弾の衝撃は脳に伝わった様で脳震盪を起こし前に倒れる。


 倒れるのを待っていた俺達は一斉に飛び掛る。

 クロイツもショットガンをリロードし、次の攻撃に備える。


『壱式抜刀術』


《縮地法》で近付き一機に斬り抜ける。

 次いでジナが上空から爆薬付クナイをウンターガングに落とす。

 そして、ノルシュトレーム姉弟による二刀流連続攻撃、タイミングを計り後退。

 クロイツは降下しながら再びショットガンを二連射(×2)し、着地と同時にバックステップ。

 ほど同時のタイミングでクナイが爆発し頭部の鱗と皮膚を吹き飛ばす。


 流石、仔龍と言えどドラゴン、一連の攻撃でHPゲージの十分の一削れているか削れていないか微妙な削り具合だ。


『グアアアァァァ』


 ウンターガングは、少し体躯を起こし、怒りの咆哮をする。

 ビリビリと身体の奥底まで響く様な感覚に陥る。

 これは、つまり俺達に『恐怖』という状態異常になった言える。

 とは言え、大した効果はない。

 精々、一時的な硬直と技を出せなくなる程度だ。

 これが『畏怖』になると厄介になるのだが、流石に仔龍にそんな能力はないだろう。


 俺達が硬直している間、ウンターガングは翼を羽ばたかせ遥か上空へ舞い上がる。

 そして、俺達のいる場所へブレス攻撃の狙いを澄ます。

 ブレス攻撃の溜め時間は長く、その間に俺達の硬直は解ける。

 ある程度の上空なら近接攻撃に特化した俺達短命組に対抗出来るが流石にこの高さは無理だ。。

 ただ、一つを残して……。


 モニカさんは、左手に持っていた槍を納め、右手に持った槍を投げる準備に入る。

 彼女の使う流派は、二槍はおまけで槍投げが主体となっている流派だ。

 その飛距離は、弓や銃に引けを取る様なものではない。

 しかも、技として発動させた槍投げは遥か上空だろうと届いてしまう。


『秘技!シエル・ド・シエル』


 モニカから放たれた光の槍は、一瞬で音速を超え一直線でウンターガングへ向かう。

 そして、ブレス攻撃を放つ一瞬、槍が右翼を穿ち破裂させる。

 バランスを崩したウンターガングは、ブレス攻撃を阻止され為す術なく落下する。

 これは彼女の流派では、超必殺技らしく、それ相応の威力がある。


「あ~、また補充しないと……」


 モニカさんは、落下してくるウンターガングを見ながらそう呟く。

 投槍は強力だが、一度放つと自動的に帰ってくる訳ではなく自分で回収しなければならない。

 水平に投げれば落下地点の大体の予測は出来るが、先ほどの様に上空へ向かって投げると流石に分からない様だ。

 だからと言うべきか、彼女の武器は、あまり良い物ではない。

 良い物ではないというだけで、低レベルの武器という訳ではないが、あえて投槍用にプレイヤーから買っていると聞いている。

 流石に対魔王戦では、かなり良い物を使っていた様だが……。


 そろそろ攻撃範囲にまで落下してくる頃合だ。

 ジナは、手裏剣を両手一杯に構え攻撃範囲に入ったと同時に小さな身体を大きく動かし投げる。


十把一絡じゅっぱひとからげ』


 様々な軌道を描きながら十数枚の手裏剣がウンターガングを襲う。

 残念ながらジナの技は対人に優れている反面、対Mobには大した効果は無い。

 それでも流派特性のクリティカルによる防御無視は侮れないのでやらないよりはマシである。


 続いて、俺は《縮地法》による垂直ジャンプで上空へ舞い上がる。


『零式抜刀術・鏡花水月』


 ウンターガングと接触寸前に抜刀術を放ち斬り上げる。

 そして、残像を残しながら後ろへ回り込む。

 それを次々と行い九回繰り返し、最後の十連撃目でウンターガングの頭上へ回り込み斬り落とす。

 無論、この十連撃は全て鎌鼬付きの攻撃である。

 それに合わせてエフェクトによる「カァン」という乾いた心地よい音が同時に木霊する。

 最後、特大の鎌鼬に抉られながら押される感じでウンターガングは地面へ真っ逆さまだ。

 余談だが、実はこの超必と奥義だけ技名を残してある。


 そして、落下地点には、マティアスさんが二振の大剣を持って待ち構えている。

 

『エクストリーム・クリーゼ』

「うおぉぉぉぉぉぉ」


 大剣二刀流による怒涛の重攻撃は、落下してきたウンターガングをお手玉するかの様に上へ打ち上げては斬るを繰り返す。

 マティアスさんの腕力は、『深緑』一の怪力で、巨体のドラゴンを押し返す力を持っている。

 大剣を振り切る毎にウンターガングの血が飛び散る。

 流石、脳筋である。

 彼の攻撃は、すでにウンターガングの鱗を剥がし皮膚・肉を斬り裂いていく。

 そして、最後に十字斬りを放つと竜の体躯が、それまでより僅かながら高く浮き上がる。


 素早く後退したマティアスさんと交代する様にクロイツが、ウンターガングの真下に移動する。

 彼の持つ二挺のショットガンを前にまとめて突き上げ狙い澄まし、接触寸前にトリガーを引く。

 

『奥義!アンラ・マンユ』


 原理は兎も角、二挺のショットガンから大質量の何かを放出する。

 魔法っぽいけど禍々しい赤い呪いか何か……まぁ、ゲームならではの謎エネルギー。

 所々剥がれているとは言え、対魔防御に優れた龍鱗と龍革を貫通している。

 ちなみに、彼は奥義と叫んでいるが、これは超必のようで奥義は別にある、


 大きく上空へ押し戻されたウンターガングを、俺は連携攻撃の締めとして『漆式抜刀術』を使う。

 ウンターガングのさらに上へ『縮地法』を用いて跳び、地面へ叩き付ける様に『嵐山』を抜刀する。

 乾いた音と共に十字光がウンターガングを襲い抉りながら地面へ叩き付ける。


『グァァ……ァ……ァァ』


 奥義でないにしろ超必を混ぜた一連の連携攻撃を叩き込んだにも関わらずこいつはまだ死んでいなかった。


「まだ生きているなんて、流石ウンターガングと言ったところだね」


 と言っても、残りHPは最大の十分の一程度であるが……。

 攻撃を受けた傷だけでなく口などからも大量の血が垂れ流されている。

 当然、状態異常『出血』となっている。

 『大出血』でないのは、龍故の高い対物対魔法防御と自然治癒能力のお陰だろう。

 特に自然治癒能力は厄介なので回復される前に早く倒してしまわないといけない。


「ここはリーダーが締めてもらわないとな」

「んだんだ」

「それが良いわね」

「期待」


 なし崩しでリーダーになってしまった俺に期待されても困るが仕方ない。

 今日は、こいつを倒したら休憩だ。

 それならと、先ほどの攻撃で奥義を使用する事が出来る様になったので出し惜しみなしに使おう。

 鞘に納まった『嵐山』の柄に手を添え構える。


『グアオォォォォォォォ』


 が、しかし、思ったよりもかなり早くウンターガングは傷を癒し、『恐怖』混じりの咆哮を行う。

 まだ、発動前だったので奥義に必要なテンションを下げずに済んだが、龍の前にて身体が硬直してしまったのは頂けない。

 だからと言って、注意を引いて貰おうにも彼らも当然硬直中だ。

 『油断大敵』という言葉が今の俺にぴったりな言葉だな。


 とは言え、攻撃がすぐ飛んでくる事はなかったのは幸いだ。

 どうやら、傷の再生が完全ではない様で身体を引き摺る様にゆっくりと俺に近付いてくる。

 奴の攻撃が先か身体の硬直が解けるのが先か……。

 

「アキラッ!」


 ウンターガングが俺の前で腕を振り上げる。

 気のせいだろうけど、ウンターガングが勝ち誇った笑みを浮かべた様な気がした。

 そして、俺の硬直が終わらない内に腕が振り下ろされる。

 仔龍とはいえウンターガングの攻撃をまともに喰らえば、ユーゴ=アップルの特別製防具と言えど無事では済まないだろう。

 勿論、俺はまだ諦めていない。

 攻撃が当たるまでは俺にも反撃のチャンスはある。


「アキラねぇさん!」


 深緑一の脳筋マティアスさんの硬直が解け、俺の方へ駆け寄ってくる。

 しかし、このタイミングでは間に合わないだろう。


 ウンターガングの爪が俺の頭部に直前する数センチ前でやっと硬直が解ける。

 心の中で奥義からすでに切り替えていた俺はすぐさま発動させる。


はち式抜刀術』


 旧名『捌式抜刀術・不知火』と呼ばれていた後の先を取るカウンター技。

 秋月夢想流では、中遠距離攻撃技であったが、アルカディア皇国剣術と合わさった際にカウンター技へと変更した(アルカディア皇国剣術を優先した結果)。

 

 技名通り、ウンターガングの爪攻撃は、蜃気楼の様に掻き消えた俺に当たらず空振りをする。

 それとほぼ同時にウンターガングの腹部で『カァン』という乾いた音と十字光が光る。

 

『グァ……』


 ウンターガングは短く小さな呻き声と共に前へ倒れた。

 カウンター技は決まれば必ずクリティカルが入るので、光属性+クリティカル攻撃で残り僅かだったウンターガングのHPを削り切った様だ。

 

「のわっ、グェ!?」


 そして、俺と入れ替わる様にウンターガングの目の前にいたマティアスさんが見事に下敷きとなる。



◆◆◆



 ウンターガングが仔龍と言えど龍しかも通常の龍と遜色のない大きさ、それ故ウンターガング素材は成龍のものと同格だ。

 メンバー全員で現在ウンターガングを解体している所なのだが、少々残念な事にウンターガングの素材ではなくケイオスドラゴンと素材の様だ。

 とは言え、ケイオスドラゴンは、UO2時代と同等ならジェネラル級なので全く問題はない。


 龍を解体して得られる素材は、武器防具装飾品料理など様々なアイテムに使用出来るが、その中で最も貴重とされるのが『龍の血』だ。

 武器を創る際、水の変わりに『龍の血』を混ぜる事で龍特効武器……つまり、ドラゴンスレイヤーを出来る訳だ。

 今回で言うとジェネラル級の『龍の血』なので、それ以下の階級の龍に対して特効効果を得る。

 十二階級ある内の第六級がジェネラル級なのでそこそこ良い物と言える。

 というか、十二の内、上位六つは出会える事がほとんどないので実質最上級と言えるだろう。

 ちなみに、成龍のウンターガングは、エンペラー級(皇級)で上から二つ目だ。

 四神が一柱『メシア』が、最上位ドラゴンの唯一で、まず敵Mobとして出会う事がない。


 巷に出回っている『龍の血』が高くてもマスター級という事を考えれば十分過ぎる程だ。


「これで全部かな?」

「ああ」

「……」

「そうね。何か忘れている感じがするけど、問題ないわ」


 粗方、素材を回収し終えた俺達は、立ち上がり休憩所へ向かう。

 ウンターガングを倒した事で、周辺にはMobの気配を感じても殺気は感じられない。

 

「あの~。俺を忘れていませんかねぇ!?」


 どこからかマティアスさんの声が聞こえたが気のせいだろうか。

●龍の階級

↑低位

・ベビー級(実際はドラゴンではなく、リザード)

・ソルジャー級(陸龍と呼ばれている小型の龍)

・ナイト級(陸龍。Mobとしては巨大な部類に入る)

・マスター級(物理攻撃に長けた飛龍。飛龍の中では小型だがMobとしてはナイト級を上回る大きさ)

・ミニスター級(魔法攻撃に長けた飛龍。マスター級とほぼ同等の大きさ)

・ジェネラル級(物理も魔法にも長けた飛龍。マスター・ミニスター級より一回りほど大きなサイズ)

・ロード級(ジェネラル級より巨大な万能の陸龍。人語を理解しだす)

・クイーン級(ロード級より巨大な陸龍。人語を話す)

・カーディナル(詳細不明)

・キング級(詳細不明)

・エンペラー級(詳細不明)

・四神級(四神の一柱メシアの事を指す。全貌を見る事さえ出来ない程の巨大な龍型の神)

↓高位

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