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E/O  作者: たま。
oβ・フレンド
53/94

第47話・UO2との接点

「ただいま…」


流派習得の特訓が終わって『泉と華』に帰る頃、陽は落ちかけすっかり夕方になっていた。

夕方頃からは、昼頃と違い『泉と華』が多くの人で賑わいだす。

仕事が終えた傭兵やら騎士だけでなく情報収集の為に商人も集まっている。

それでも、アヤカ達はいつもの定位置にいた。


「おかえりー」


アヤカ達は、丸テーブルに所狭しと置かれた料理を美味しそうに食べていた。

おもむろにクロイツは立ち上がり壁際に置かれていた予備の椅子を持ってきて自分の隣に置く。


「こっちだ」


そして、俺の背中を押し誘導する。


「流派は無事に習得出来たの?」

「まぁね」

「んでは…」

「「「「「「おめでとう」」」」」」

「あ、うん。ありがとう」


皆は、酒もしくはジュースの入ったグラスを持ち上げる。

そして、皆の視線が俺に集まる。

俺の前には恐らくジュースが入っていると思われるグラスがあり仕方なく持ち上げる。

チンッというグラスが当たる音と共にみんなは待ってましたとばかりにグラスを飲み干していく。


「で、どの流派にしたんだ?」


一通り飲み干した後、エミリアさんが話題を振ってきた。


「……アルカディア皇国剣術」

「ふーん。あれにしたn……ん?皇国剣術??」

「聞いた事ないわね…」


やはり、隠し流派なのだろうか…。

いや、確かレア度は【Rare】だった筈なのでただ発見されていなかっただけか。


「すまない。どういった流派なのだ?」

「大雑把に言えば、アウトレンジで戦う剣術?

まぁ、それだけではないのだけど…」

「どうやってアウトレンジで戦うんだ?」

「カマイタチ?真空波みたいなのを発生させてました」

「カマイタチ!?」


そして、エミリアさんは酒を一気飲みした後、腕を組んで考え込む。


「アルカディア皇国か…。UO2にあった国家だな」

「そうなん?」


ヘンリックさんはそう言うが、UO2をやっていたのは10年ほど前なのであまり覚えていない。

あった様な、なかった様な……、そんな朧げな記憶だ。

UO2もE/Oと同様でかなり世界が広く作られており、最初から最後まで一度も行った事がない国家なんてザラにあった。

いや、素通りぐらいはあったかも知れないが、よく覚えていないという事は長居はしなかったのだろう。

国家数は、E/Oと比べてかなり少ない記憶がある。

俺がUO2の時、拠点としていたのはブレイ王国という国家だった。

位置的にアフリカ大陸丸々国家と言った感じだ。

E/Oスレでサウスブレイ王国というのがあったが、やはり大国だった事もあって分裂した設定なのかも知れないな。


「という事は、E/Oで頻繁に出てくる古代王国時代ってのはUO2の世界か…。面白い」

「じゃぁ、もしかしてUO2に関連する隠しアイテムとかクエストとかあるんですかね?」

「あるかも知れないな」


これら一連の会話で分った事は、俺を含んでUO2をプレイした事があるのは、ヘンリックさん、クロイツ、エーツーさんの4人という事だ。

エーツーさんは話に絡んでこなかったが、しきりに頷いていたので多分間違いない。

他の女性陣は、フレンド枠での参加という事か…。

まぁ、これに関して今はどうでも良いけど。


「まぁ、それは良いとして習得条件は分るか?」

「確定的な情報ではないですけど良いですか?」

「それで構わない」

「場所は、アルカディア王国剣術とエルスパーダ流剣術と同様の場所ですね。

話に聞いている限り、ノースアルカディア王国でも習得出来そうです。

我流以外の流派を何かしら習得しておく必要があるかと…。

ただし、流派レベルがいくつ以上なのかは未確定です。

ボクの流派レベルが23なので20辺りかな?

で、相手となる騎士に勝利且つ後日相手になるであろう近衛騎士にも勝利する事だと思います」

「ふむ。最後に戦う事になる近衛騎士とは強いのか?」

「強いですね。ボクは僅差で勝ったので、もう少し余裕があった方が良いかも知れません」

「ふむ。強いのか面白そうだな。私も挑戦して見ようかな」


そう言いながらエミリアさんは不敵な笑みを浮かべていた。

もしかして、戦闘狂?


「という事は…新しい剣が必要だな。

俺っちは買出しに行って来んぜ」


エーツーさんは、食事の途中でフォークを置き横に置いていた背嚢を担いだ。


「あ、その件に関しては習得祝いでNPCから貰っちゃいました」

「ほう…。ちょっと見せてくれや」


俺は右腰に差していた剣を外しエーツーさんに差し出す。


「どれどれ…。ふむ…レアか…レベル帯も適性だし悪くはないな」


この剣は、習得祝いという事でグリム副団長から予備として持っていた剣を貰い受けた。

予備という事で若干控えめな装飾になっている以外は、十分な性能と言える。

しかも、アルカディア皇国剣術に最適化されている。


鑑定結果を一通り見て性能的に問題ないと確信するとすぐに俺へ返した。


「はいッ、流派の話はこれで終り。

さて、2週間後つまりリアル明日ぐらいに開催されるクラン戦の話をしましょう」


手の平をパンッと叩き、アヤカは仕切りなおしと言わんばかりに話題を強引に切り替える。

話が長くなりそうだったので、俺は自分の席に戻った。


クラン戦…クラン実装と共に追加された新しい要素で闘技場とは違ったルールが適用されている。

ゲーム性を高める為にE/Oの世界観を若干無視してルールやシステムが作られているらしい。

上位10クランには何かしらの賞品が用意されているとかされていないとか…。

俺自身、あまり興味がなかったのでその辺はよく覚えていない。


「クラン戦か…」

「解放後、初めてのクラン戦って事もあるし、噂では結構な数のクランが参戦する予定らしいのよ。

私としてこの国を拠点としている今の内に参戦しておこうと思うのだけど、みんなはどうかな?

ちなみに、ヘンリックさんとエミリアは賛成しているわ」

「それって、俺っちも人数に含まれていたりするのか?」

「もちろん!」

「そ、そうか…」


何やらブツブツ言いながら悩んでいるエーツーさんを他所にアヤカは俺を含んだ他のメンバーに聞く。


「俺は良いですよ」

「問題ない」

「この雰囲気で断れへんわ」


クロイツもエレナさんは簡潔に同意し、アイリスさんは仕様がないと半ば諦めている節があるが同意する。

そして、まだ悩んでいるエーツーさん以外全員の視線が俺に集まる。


「あ、いや、まぁ、OKです」


アイリスさんではないが、この雰囲気で断れる筈がない。

いや、まてよ…。

逆に断るとネタ的に美味しいか?

何かアイリスさんに「なんでやねん」ってつっこんで貰えそう。


「全員参加という事で申し込むわよ。

じゃ、食事の続きをしましょ」

【流派名】アルカディア皇国剣術

【対応武器】突剣・騎士剣・長剣・大剣

【レア度】レア

【場所】サウスアルカディア王国王都騎士鍛錬場

    ノースアルカディア王国王都騎士鍛錬場

【取得条件】取得流派レベル20以上

流派習得時のテストにて上級騎士・近衛騎士を倒す

【師匠】ガイラル=フォレット(南方師範代)

    ミラルド=ヴィンテイン(北方師範代)

【流派スキル】《集中》《鎌鼬》

【概要】剣先から鎌鼬を発しアウトレンジで戦う剣術。

鎌鼬を出すには集中が必要で、それを補う剣技も発達している。

また、剣技自体にも鎌鼬の効果が乗っている為、流派スキルがなくても出す事が可能である。

ただし、威力はそれなりに落ちる。


/////////////////////////////////////////////////////


《Name》風生剣

《User》アキラ=ツキモリ

《Rank》Rare

《Level》刀剣修練Lv30

《Base》騎士剣

《Effect》流派スキルLv+2、風属性付与

《Detail》アルカディア皇国剣術に最適化された騎士剣。

流派スキル《鎌鼬》が強化されるのは、レベルが低い内はかなり使えるだろう。

また、風属性が付与されているも大きい。

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