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まぁるい幸せ

「それじゃあ、今日のデザートなんですけど」


 と、買っていたお菓子を持って来ようとした時。


「スマンがカケル」


 ガブロさんから声をかけられる。


「どうしました?」

「もし今日のデザートがチョコレートであるならば、わしは遠慮させて貰おうかと……」

「……ほぅ?」


 ――天地明察。

 さてはガブロさん……チョコレートを大量に食わされたな?

 思えば、すぐ溶けるキスを研究するとか言ってた気がする。

 ……満足が行く出来になるまで、試作したチョコを食べさせられていたわけか。

 ……となると、さっきの食事の時に何か呟いていたのも、チョコレート以外がようやく食べられる……みたいな内容だったのかな。


「チョコもありますけど、一応チョコ以外も買って来てあるので、そっちを多めにしましょうか」

「スマンのぅ……」

「はいはい! ガブロに渡るはずだったチョコレートは俺が責任を持って食べる!!」

「その分チョコ以外が減りますよ?」

「……スン」


 まぁ、なるべく均等になる様にちゃんと分けますよっと。

 というわけで……。


「今日のデザートはこちらになります」


 取り出したるは、スーパーのお菓子コーナーでよく見るチョコパイ。

 通常のやつ、冬限定、そして、白いイチゴのチョコパイ。

 まだだ、まだ終わらんよ。

 チョコパイがあるならこっちも必要でしょって事で、カスタードケーキも買ってきておりますよっと。


「まずはガブロさんに」


 白いイチゴのチョコパイと、カスタードケーキを渡し。


「うむ」


 残りを一旦全部取り出して、各々に配布。


「あの白いのもチョコなのではなくて?」


 というリリウムさんの言葉には、


「苺フレーバーですし、あれなら食べられるんじゃないかと」


 と回答。

 まぁ、嫌だというなら他の人に回せばいいだけだし。


「うむ。チョコレート単体でなければ問題ないわい」


 ほらね。


「チョコでコーティングされたパイなのか?」

「あー……パイってよりはケーキに近いかなぁと」


 名前にはパイってあるけど、どう考えてもパイ生地ではないんだよね。

 じゃあ何かって言うと、やっぱりケーキ生地ってのが一番近いかな。

 ……確かに、なんでパイって付いてるんだろ?

 ちょっと調べてみるか。

 ――へー。

 一応企業的には、アメリカだとケーキの事をパイって呼ぶことがあるから、こうやってケーキ生地だけど名前にパイって付けてるんだって。

 で、アメリカだと、パイ皿でケーキを焼くのが一般的な時代があったらしく、その時から、パイ皿で焼いたからパイって呼んでたんだって。

 また一つ学びを得たな。


「つまりはチョコケーキなのか?」

「う~ん……分類上はそうなるんですかねぇ? 俺らとしては、もうこれは『チョコパイ』っていう食べ物って認識なので……」


 小さい頃からの常識だから、もうそういう物としか認識してないよね。


「ラベンドラ」

「なんだ?」

「食えば分かる」

「……それもそうだな」


 まぁ、というわけで。

 お口の恋人のチョコパイ……いただきます!!


「む、美味い」

「チョコの美味しさもですけれど、中のケーキ生地の口どけが素晴らしいですわね」

「しっとりしてる。中のバニラクリームも美味しい」

「とっつぁん? うめぇぞ?」

「普通のチョコは向こう一週間は食わんぞ」


 どれだけ食べさせられたらそんな感想を持つようになるんだろう?

 ……割と一食でも、チョコレートだけで腹を満たせって言われたらそうなりそうかもしれない。

 あくまでデザート、あるいは間食だから美味しいのであって、それが食事となると話は変わりそう。

 むしろ逆に、ガブロさんがこうなる程にチョコレートを食べているのに、全然ケロッとしていて美味しそうに食べてるエルフ二人は何者なんだって話ではありそう。

 どう考えても甘党でしかないんだけれども。


「チョコ自体も甘さだけでなく、香りやほんの少しの苦みがあっていい」

「甘いだけですと飽きると身を持って知りましたものね」


 飽きたんだ。

 最低でも一回は。


「柑橘系のフレーバー一発で復活したがな」


 早いなぁ、復帰が。

 

「にしても美味しい」

「手が止まンねぇな」


 で、みんな個装を剥いては一口、二口。

 次のチョコパイを取って……とよどみのない流れ。

 まぁ、分かる。

 自然と手が伸びちゃうよね、チョコパイって。

 どこかの国で通貨として扱われてたのも分かる気がするわ。

 ……ゴメン、嘘。分かんない。


「ふぅ……珈琲が美味い」

「紅茶も言わずもがな」


 ちなみにいつも通り、デザートの時には飲み物もリクエストを聞いてるよ。

 大体がいつもの通りに紅茶とコーヒーを飲んでる。


「次はどうする?」

「一度カスタードケーキに手を伸ばしたいですわね」

「じゃあ、それで」


 という事で、次に選ばれたのはカスタードケーキでした。

 俺は子供のころ、こっちのカスタードケーキの方が好きでねぇ。

 でも、姉貴がチョコパイ派だったから、中々あり付けなくて……。

 

「こっちはケーキなんだな」

「チョコでコーティングしてないからですかね?」


 さっきのチョコパイはパイなのに……というラベンドラさんの言葉。

 だけども、正直、『そういうもの』として貰わないと……。

 もう俺らの潜在意識にそう擦り込まれているのだから、疑問になんて思わねぇんだ……。


「この名前の疑問を解消するため、我々はアマゾンの奥地へと向かった」


 向かうな。

 ここで食べなさい。

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― 新着の感想 ―
Q:どれだけ食べさせられたらそんな感想を持つようになるんだろう? ……割と一食でも、チョコレートだけで腹を満たせって言われたらそうなりそうかもしれない。 A:ガブロさんが向こうに行ってママん所に帰っ…
チョコパイが通貨っていやいやまさかそんな……まじかよ、北朝鮮ェ……。
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) Amazonだって(;・∀・)あれもこれもと翔君が破産しちゃう
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