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明言は避ける

「フー……馴染みのある味じゃなぁ」

「そりゃあ、俺たちの国のワインだからな」

「なんで今回持って来られたのでしょうね?」

「神の気まぐれだったりして」


 気まぐれでしょうね、十中八九。

 残りの一か二は神様が飲みたくなったから。


(ぐぬぬ)


 神様の反応からして間違えてないっぽいし。

 ちなみに異世界のワインは俺は遠慮させて貰ってるよ。

 興味はあったけど、流石に神様にあんなこと言われたら飲む気失せる。

 なんと言うか、人間性とか失いそうで……。


(失礼な。わしの世界のワインが飲めんというのか?)


 アルハラですよ。やめてください。

 

「気まぐれだとしても、半分ほどは持っていかれたがな」

「今までは全部だったわけですもの、それを考えればかなりの譲歩では?」

「元々が持って行きすぎだった説」

「飲めりゃあいいわい」


 あ、ちゃんとワイン自体は減ってはいるんだ。

 ただ、これまで見たいに全部を持ってかれていないってだけで。


(褒めてよいぞ)


 何を?

 100%オフを50%オフにしたことを?


(うむ)


 流石神様、腹が太ぇや。

 

(うむうむ……うん? なんかバカにしとらんか?)


 俺が神様相手に?

 やだなぁ、俺にそんな度胸アリマセンヨ。


(いや、八百万がやんややんやと拍手をしておるからな)


 八百万様! 露骨に態度に表すとバレる!! バレちゃうから!!


(スン、と元に戻ったな)


 もしかしてその光景、怖いのでは?

 

「カケルは飲まなくていいんか?」

「バハムートの血が入ったワインはちょっと……」

「美味しくなるだけだぞ?」

「いや、どうも自分には色々と効果があるみたいで……」


 異世界組によもつへぐいって言っても伝わらないだろうし、下手すればさっきの神様みたく俺を強制的に連れ出そうとか言いだしかねない。

 リリウムさんとか、アメノサさんとかが。

 ……参ったな、女性陣両名が敵になるのか。


「カケルがそれでいいならいいがな」

「代わりと言ってはですけど、いい感じにレビューをお願い出来ます?」

「うむ。元々のワインも私たちの国の中では質の高いワインだ。だが、そこにバハムートの血を垂らして熟成させたことで一気に味も香りも三段階ほどランクアップする」

「香りは黒い果実を想起させ、その奥にスパイスのニュアンスが隠れる。色は紫にかなり近い赤」

「口に入れて最初に感じるのはまろやかさですわ。そのまろやかさがトマトの酸味とマリアージュを醸し出しますの!」

「ふくらみのある味わいに伸びのある余韻。酸味とのバランスもよく、トマトはもちろんだが何よりマイコニドに合う」

「飲み終わりにバターのコクのような余韻が現れるのが特徴じゃな。その余韻と次なる一口がまたマリアージュを生み出す」

「とっつぁんたちの言う通りかなり質の高いワインだぜ。貴族、それも上位の爵位じゃないと飲めねぇんじゃねぇか?」


 ほへー。

 レビューを聞く感じ、異世界のワインも現代のワインに負けてないように思えるのは俺だけ?

 それとも、バハムートの血が入ったからそう思える出来になってるんだろうか?


「ボトルに半分しか無いのが惜しい。各一杯で終わっちゃう」

「残ってるだけマシだ」

「0か50なら50を取りますわよ」

「それはそう」


 言われてますよ神様。


(なんじゃなんじゃ! 折角例外で認めてやったというのに!)


 日頃の行い……。


(ふん! 大体、八百万の要望でなければ全てわしが飲んでおったわ!!)


 ん? ……つまり……そういうこと?


(ん?)


 八百万の神々が、異世界のワインに興味を持った、と。


(まぁ、そうじゃの。……ちょ、こら! わしの! わしのワインじゃから!! おすそ分けとか言ってどこの得体の知れん別の神に与えに行くんじゃない!!)


 ……何だろう、神様たちの世界、見る事は出来ないけど面白い状況になってそうなのは分かる。

 こう、イメージ映像トムと〇ェリーみたいな。


(はぁ? こやつわしのワインを飲んで鼻で笑いおったんじゃが? わし神ぞ? 異世界の唯一神ぞ?)


 多分神様が怒ってる相手も神様ですよ?

 相手が誰なのか分かんないけど。


(ワインは我の血? 何を言うとるんじゃお前は。寝言は寝て言え!)


 ……ノーコメント。

 僕無宗教。

 巻き込まないでください。


「どうした? カケル?」

「いや、ちょっとゴタゴタがあってまして……」


 脳内で。

 でも神様たちが静かになったので大丈夫です。


「ガリバタトーストにも合う」

「本当にこれだけしか持ち込めないのがショックですわね」

「あー、ソレなんですけど、今回限りの特例っぽいですよ?」


 持ち込めた理由は八百万の神様が欲したから、らしいし。

 ただ、それも神様からの反応を見るに、二度目があるかは……。

 ワンチャン異世界の神様が、こっちの色んな神様と意気投合したらあるいは……。


「そうなのか」

「神様にも何か事情があったみたいですわね」

「ははは」


 八百万が要望したって教えてもいいんだけど、そうすると異世界のワインを持ち込むための口実に八百万が使われそうな気がしてなぁ。

 無宗教とはいえ、神様を異世界組の思惑の為に使われるのはなんかもやっとすると言うか……。

 急な腹痛が襲ってきた時とかに神に縋るような俺が何言ってんだって話ではあるけれども。

 主に電車の中とかで。


(なかなか話が分かるやつじゃったわい)


 あ、お帰りなさい、神様。


(うむ。先程のやつとはワインを交換する約束を取り付けた。今度一緒に飲み明かすぞい)


 ――めっちゃ仲良くなってる……。

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― 新着の感想 ―
異世界の食材食べてもヨモツヘグイじゃないっぽいのに、異世界のワインはダメっぽいのが異世界クオリティなのか
ワインは我の血と言うことは身体はパンですかね。そしてその方神そのものじゃなくて息子さんの気がいやこれ以上はまずいか。それにしてもその方も八百万に入ってる方が凄く論争が起きそうな気が。
更新ありがとうございますヽ(=´▽`=)ノ |д゜)チラッその神様その気になれば世界中洪水にできる方じゃ(;´∀`)息子さんは石をパンにしたり水をワインにしたりブッタとシェアハウスしたり漫才したり………
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