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八百万「あまり干渉するでないぞ? お?」

 ハンバーガーにすると言ったな、あれは嘘だ。

 なんと珍しい事に、ラベンドラさんの手持ちに肉の在庫が無かったんだって。

 で、当然俺が用意したひき肉たちは全部俺と異世界組の胃袋の中って事で……。

 どうしようか、と考えたけど、すぐにとある案に思い当たる。

 フィレオフィッシュとかあるわけだし、魚なら手持ちがあるってラベンドラさん言ってたから、それを揚げて、トマトソースと一緒にパンで挟み、持ち帰りにすることに。

 ハンバーガーにしないと言ったな、それも嘘だ。


「地震を引き起こす魚型の魔物なんですっけ?」

「そうだ。それ以外の魔法は使わないのだが、地震はその事象だけに留まらないからな」

「津波とか起きますからねぇ」


 『無頼』さんが狩って来たという地震を引き起こす魔物。

 それを今は成形し、衣を付けてる所。

 にしても、特徴だけ聞くとナマズがイメージされるんだけど、ナマズは別に地震を引き起こさないしなぁ。

 あくまで地震を感知する、と言い伝えられているだけで、それも眉唾物って話だし。

 にしても、異世界は色々と規模が違うよね。

 魔法で起こせるんだ、地震。

 現代でそんな物が存在したら、どこの国も血眼になってその魔法が使える人たちを囲うだろうな。


「ちなみにラベンドラさん、この魔物の味はどんな感じです?」

「癖が無く、食べやすい白身魚という印象だが……」

「あそこまで大きい個体は珍しくて、ハッキリとは分かりませんのよね」


 大きかったんだ、異世界ナマズ。

 まぁ、地震が起こせるような個体なら大きくもなろう。


「少し食べるか?」

「食べたいですね」


 で、そんな新しい異世界食材が目の前にあるなら、食べたくなるのが日本人ってもんよ。

 ……とは言え、いつものような塩茹でじゃなく、素揚げみたいな感じで加熱処理されたものだけど。


「ほら」


 ラベンドラさんに渡された素揚げ異世界ナマズに塩を振り、あちあち言いながらパクリ。

 そのお味は……?


「うっま」


 え? 肉?

 いや、肉ちゃうな。

 でも食感はほぼ肉。

 あとジュワって噛んだ瞬間に溢れてくる肉汁も正しく肉のそれ。

 ほな肉かぁ……あ、でも魚っぽい身の崩れ方はするな。

 ほな魚かぁ……。


「美味かったか?」

「美味しかったです。肉っぽさありますね、この魔物」

「そうか。……少し楽しみになってきたな」


 この口ぶりからするに、ラベンドラさん達はこの魔物が肉っぽい食感だってことを知らなかったって事?

 そんなことある?


「揚げた事が原因かしら?」

「分からん。高温で肉質が変化した可能性が一番に考えられるが……」

「『――』がそうなるなンて話は聞いた事がねぇぜ?」


 あ、確かに。

 油で揚げられたからこその肉質変化なのか?

 となるとフライにしたのは正解では?


「よし、揚がった」

「バンズにキャベツ、ソース、チーズ、準備完了してます」

「うむ」


 というわけで、揚がった異世界ナマズの油をサッと切り、キャベツを敷いたバンズの上に乗せまして。

 チーズを乗せて、その上にうまトマソース。

 被せるバンズにマスタードを塗り、乗せてピックで固定したら完成。

 異世界ナマズバーガーです。


「食うのが待ち遠しいや」

「ではカケル」

「はい」

「これを渡しておく」

「お気を付けて……え?」


 てっきり魔法陣を潜って帰るのかと思ったら、異世界ナマズの肉の塊を渡されてしまった。

 そういやそうか、異世界食材授与式、執り行われるよなぁ……。


「明日の食事も楽しみにしている」

「よろしくお願いしますわね」

「デザートもな!」

「酒もよけりゃあ頼むわい」


 と、口々に言い残して魔法陣を潜っていく『夢幻泡影』の四人。

 ……あれ? 『無頼』さん達は?


「はーなーせー!!」

「お前が離せ!! 何隠れてここに居座ろうとしてやがンだよ!!」


 あ、アメノサさんがここに居候するって駄々こねてるのを引っ張ってるのか。

 『無頼』さんも大変だなぁ。

 ……さて、神様、合わせて貰っていいですか?


(む? 何をじゃ?)


 いいからいいから。


「トラップカード発動!! ダストシュート!!」


 と言ってアメノサさんの足元をビシッと指差すと。

 ガコン! とダンジョンとかでよく見る床がいきなり傾いて滑り落ちるみたいな仕掛けが発動。


「は?」

「え?」


 そのあまりに突然の出来事に、何が何やら分からないまま、なすすべなく滑り落ちていくアメノサさん。

 『無頼』さん? 音がした瞬間にアメノサさんから手を放してたから巻き込まれてないよ?


「強制送還しておきました」

「……あ、ああ」


 マジかよ、みたいな表情しつつも、魔法陣を潜っていく『無頼』さん。


「じゃ、じゃあな」

「アメノサさんによろしく言っといてください」

「お、おう」


 そのまま魔法陣に姿が消え、その魔法陣も消え去って。

 ……よし。

 神様、ナイスです。


(うむ。ただまぁ、次からは先に八百万に断ってからわしに言うようにな)


 何か言われました?


(お主の世界に直々に干渉した事で、ちょっとだけ面倒なことになっとる)


 あ、それはすみません。

 なにぶん神様の世界の事を知らないもので……。


(うむ。じゃから今回は始末書で済むが、次からはちゃんと報連相をしっかりするように、との事じゃ)


 肝に銘じておきます。

 ……というか、神様間でもあるんだ、始末書とか言う文化……。

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) 翔君のせいなのに可哀想な神様(;´Д`)翔君、次のお供えというかお酒奮発してあげて
変なことになってきたなぁママん家と言うかママ…(^-^; でも、まぁいつもの事か(ゴー君に魔境な冷蔵庫)
異世界ナマズさん下味に、塩コショウしてパン粉で衣を付けて豪快に揚げる!それをタルタルソースと軽くソースでバンズに挟む!!
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