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騙された(定期)

 ……話が違う。

 よく分からない、見た目キウイの種子を出して来て、表面を削ってスライスしてピザ生地へ。

 切った断面図の見た目も、色も、思いっきりキウイのそれだったからと油断した。

 キウイだけど焼くのか―、とか思ってたけど、焼き上がったピザを見てびっくり。

 加熱されてそれまでキウイだった見た目が、何とびっくりブルーベリー色に。

 わぁ……クリームチーズやジャムと合いそうな見た目だぁ。


「焼き上がったぞ。……カケルの分は小さく切るか?」

「お願いします」


 とは言え、である。

 確かにサッパリしていて美味しそうではあるし、間違いなく美味いのだろう。

 だが、既に俺の胃のキャパは限界。

 とりあえず体を動かして胃に隙間を作るか……。


「?」

「気にしないでください」


 なお、急に立ち上がって体を揺らした俺を見て不思議そうな顔をする異世界組だが、マジで無視してもろて。

 満腹になってない君たちには不要なものだよ、うん。


「いい匂い」

「『――』て焼くとこンなンなンのか」

「ちょっとした発見でな」


 無頼さんが見た目生キウイ、焼くとブルーベリーについてそんな感想を。 

 という事は普段焼かずに食べるものなんだな。


「そのまま食べるとさっぱりとした酸味が味わえるが、こうして焼くとまた違った味わいになる」

「へぇ」


 生だとそのままキウイっぽいんだよな。

 そんな物が焼いたらどうなるのか……いざ!!


「!! 美味しいですわ!!」

「これ最高!!」

「あ、甘い……」

「もうちょっと控えめでいいな」

「? 美味しいのに」


 ……?

 食べたのって果実……というか種子だよな?

 なんで――なんでカスタードクリームの味がするんだ?


「この種子は温度変化によって味を変える。高温で熱すると、このようにまるでカスタードクリームかのような味わいになるんだ」

「素晴らしい発見ですわね!」

「『――』の種子なンて結構手に入るからな。それでこの味を楽しめるンなら今後需要が上がりそうだ」

「ちなみに冷やすと?」

「えぐみが出る」

「加熱一択じゃな」


 おかしいな、サッパリした果物系を注文したはずなのに、ガッツリカスタードとクリームチーズのピザを食べることになってるぞ?


「そしてこれだ」


 と、ラベンドラさんがみんなにかけて回ったのは……シロップ?

 黄緑色の透き通ったそれは、恐らく異世界産の代物だろう。

 ……これでも十分過ぎるほど甘いのに、まだ甘さを追加するか……。


「ん!?」

「これは美味いぞい!!」

「一気にサッパリしますわね!!」


 ……と思ったら違うようだ。

 サッパリ? と思って一口食べると……。

 なんと言うか、身体の下から風が吹いてきたような錯覚が……。

 一瞬感じたミントのような強烈な香りと、口の中の甘さを吹き飛ばす爽快感を感じる酸味。

 ただ、その酸味は強すぎることは無く、また、長続きもしないからマジで口の中の甘さを吹き飛ばした瞬間に消える。

 後に残るのはクリームチーズのコクと、黄緑色シロップのほんのりとした甘さ。

 え? 一気にサッパリ系のピザになったんだけど……。


「美味しい」

「そのシロップすげぇな」

「結構な手間がかかる秘蔵のシロップだ。やらんぞ?」


 と、ラベンドラさんが言うように、アメノサさん達に奪われないようにそそくさと収納。

 はは―ん……さては、そのシロップを自慢したくて見た目キウイを加熱してカスタードクリームにしやがったな?

 まぁ、美味しいから許すけど。

 ――というか、


「クレープみたいな感じですね」


 生地の厚さとか、違う点は多々あるけれども。


「確かに」

「材料はそこまで変わらないからな」


 まぁ、そうか。

 ……よし。


「俺はご馳走さまでした」

「私たちはまだ食べますわよ?」

「俺のことはお気になさらずに……」


 なんとか食べられたけど、本来はデザートピザの時点でかなり来てたんだ。

 後はもう、見てるだけでいいや。


「ちなみにカケル?」

「どうしました?」

「この形状以外にも知っているピザというのはあるか?」

「……それはどういう?」


 ラベンドラさんの質問の意味がちょっと分からない。

 星形とか、四角いピザをご所望で?


「前に揚げピザを食べた事があっただろう? そんな風に、ピザの名を冠していて、形状の違うピザを知らないか?」

「あぁ……」


 理解。

 ピザはピザでも、普段食べてるピザとは違うピザをご所望なのね。

 えーっと、少々お待ちください。

 あれって何ピザって言ったんだっけな……


「こんなのはどうです?」


 思い出せなかったからざっくりシカゴピザで検索。

 そしたら出てきた、ディープディッシュピザだ。

 それの作り方の動画をラベンドラさんに見せてみる。

 すると……。


「かなり食べ応えがありそうだな……」


 だそうで。

 見た感じ、俺はこれは一人で食えないね。

 姉貴と一緒でも無理だと思う。

 というか、これ一切れ何カロリーになるんだって見た目してる。


「作ってみるか」

「ん? なになに?」

「新しいピザだってよ」


 そんな代物をこの人らは俺が満腹になる量食べた後に食べようとしてるんだよな……。

 異世界人……恐ろしい子!

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) なんでこんなに入るのか(;´∀`)やっぱり異世界人は構造が違うのかな?そう魔力なるものを生成するのにめっちゃカロリー使うとか?よって魔法をよく使うひとはカロリ…
「前に揚げピザを食べた事があっただろう? そんな風に、ピザの名を冠していて、形状の違うピザを知らないか?」 「あぁ……」 生地の耳の部分にウインナー入ってる奴とか、生地が薄い厚いとか様々あるよね…た…
「結構な手間がかかる秘蔵のシロップだ。やらんぞ?」 二年間食材探しをしてたダークエルフの言葉だ……重みが違うぞ
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